(前回から読む) 東日本大震災(以下「大震災」)に起因して、赤字決算を余儀なくされた会社はたくさんありました。マツダもそんな会社の一つです。 「マツダ、最終赤字600億円 前期、10期ぶりに無配に」 これは、2011年4月29日付の日本経済新聞の見出しです。さらに記事から一部を引用します。「(前略)…東日本大震災の影響で12年3月期の収益見通しが算定できないため、繰延税金資産を取り崩して税金関連費用が増えたことが響いた。…(中略)…繰り延べ税金資産の取り崩しによる税金費用は567億円だった」 記事は、最終赤字600億円の原因を、税金関連費用と伝えています。この多額の税金費用の意味、皆さんはきちんと理解できていますか? 今回の「財務諸表を読んで復興支援!」は、前回に引き続き、税効果会計を取り上げます。基本的な仕組みは前回説明しておりますので、ぜひ併せてご覧ください。 税効果会計の前提は「ずれ