令和3年7月7日 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 元素周期表の極限の分子にみつけた周期律のほころび ―超アクチノイド元素ドブニウム化合物の分子の結合に変化が― 【発表のポイント】 周期表の極限領域にある重い元素(超重元素)では、周期表の予想から化学的性質がズレる可能性が指摘されてきましたが、超重元素はすべて合成が難しく、寿命の短い人工元素であるため、その実証は困難でした。 今回、超重元素のひとつであるドブニウム(Db)に着目し、揮発性を利用した化学分析を試みたところ、純粋な形でのドブニウム化合物の合成・分離にはじめて成功しました。さらにその結果、周期表からの予想と比べ、化合物中でドブニウムが「電子を放出しやすい」という金属的な性質を失っていることがわかりました。 本成果によって、105番元素ドブニウム化合物の化学的性質に、「周期表からのずれ」があることが明らかになりました。元素周期