1970年代の特撮テレビ番組の雰囲気を徹底的に再現しつつ、岡本太郎の言葉と作品を伝えるという斬新な番組『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』(Eテレ)や、作品すべてが嘘という企画展『大嘘博物館』などを手がけ、今もっとも注目を集める映像作家・藤井亮さん。 10月某日、ファン待望ともいえる彼の最新作の撮影が極秘でおこなわれるとの情報をキャッチし、大阪市内某所の現場スタジオに急行。独特の特撮スタイルの映像がどんなふうに作られるのか・・・撮影のようすを独占でお届けしたい(取材・文・写真/脈脈子)。 ■ 怪しい照明のなか、おこなわれていた撮影 撮影現場は古めかしいビルの一角にあった。コンクリートむき出しの壁、無造作に積み上げられた廃材・・・。廃墟風にしつらえられたスタジオ内には30人ほどの大人がひしめいていた。 照明やカメラなどゴツい機材の数々のなかで、埋もれることなく異彩を放つショッキングピンクの