イスラム国による残虐なやり方での世界秩序への挑戦が暗い影を落としている。その影は欧米諸国のみならず日本の大学生までも巻き込んで世界中に広がりを見せ始めている。 テロや国際紛争の温床は無政府状態の真空地域 現在、覇権国家として世界秩序の形成をリードする米国に対してチャレンジしている主な勢力は、中国、ロシア、そして非国家勢力(Non-state power)である。 このうち、中国とロシアに対しては、武力や経済力による抑止や関与といった米国の従来からの秩序維持手段がある程度有効に機能している。しかし、非国家勢力に対しては米国の圧倒的な武力や経済力が効果的に働いているようには見えない。 非国家勢力がテロリズムや国際紛争を引き起こす根本的な原因は、当該地域に国家のガバナンスが機能していないことであると言われている。すなわち、治安の確保、貧困救済、社会衛生管理、教育機会といった社会安定のための最低条