2018年10月13日よりアップリンク渋谷で公開がはじまった映画『ヴァンサンへの手紙』。130年間にわたる手話の禁止が解かれてまもなく8年。フランスのろう者たちの姿を撮影した本作はモントリオール国際映画祭ほか世界各国の映画祭で上映され、ろう者たちの強い共感と圧倒的な支持を得た。 ろう文化の現在地について、レティシア・カートン監督と国立障害者リハビリテーションセンター学院手話通訳学科教官、NHK手話ニュース845キャスターの木村晴美氏に語ってもらった。(聞き手 / 牧原依里、文 / 大久保渉) 《作品紹介》 友人のヴァンサンが突然に命を絶った。彼の不在を埋めるかのように、レティシア監督はろうコミュニティでカメラを回しはじめる。美しく豊かな手話と、優しく力強いろう文化。それは彼が教えてくれた、もう一つの世界。共に手話を生き、喜びや痛みをわかちあう中で、レティシア監督はろう者たちの内面に、ヴァン