スパイはどうやって国家機密を盗み出しているのか。『元FBI 捜査官が教える「心を支配する」方法』(だいわ文庫)から、うっかり口を滑らせる巧妙なスパイの手口を紹介する――。(第2回/全3回) 巧妙なスパイ活動は「共通点づくり」からはじめる あなたが科学者であるとしよう。 あなたは国防総省から仕事の依頼を受け、国家機密も取り扱っている。 ある日、なんの前触れもなく、あなたに中国大使館から電話がかかってくる。そして、あなたの研究に関する講演をお願いしたいと、中国に招待される。 講演の内容自体は機密扱いではないうえ、渡航費から滞在費まで費用はすべて中国政府が負担するという。あなたは、中国政府から講演依頼があったと、国防総省の担当者に伝える。 すると、機密情報に触れないのであれば中国で講演してもかまわないと、国防総省から許可が下りる。 そこであなたは中国大使館に電話をかけ、ご招待をお受けしますと伝え