「あなたの子どもに対する思いを疑ってはいません」 「私たちとあなたは、裁く側と裁かれる側として向き合ったわけですが」 裁判長は中央の席に座る被告に向かって語りかけた。 3月8日午後3時、三重県の津地方裁判所301号法廷。昨年5月に起きた4歳児虐待死事件の判決が、裁判長から母親である被告に告げられようとしていた。 「まず、私たちはあなたの子どもに対する思いを疑ってはいません」 こう伝えると、裁判長は続けて、亡くなった三女を差別的に扱いネグレクトや暴行を加えたことや、育児が思い通りにいかないために振るった暴行は、許されない行為だと断じた。 裁判長からは、被告の孤立状態に対し理解を示す言葉も聞かれた。そして、計画的な犯行によるものではなく、突発的な暴力が原因だったとも述べると、裁判長は、犯行を「中度から軽度」とみなした。懲役8年の求刑に対し、判決は懲役6年だった。 女性が自ら孤立出産に突き進むこ