フランスのパリ経済学院が欧州連合(EU)などの協力を得て運営する調査機関「EUタックス・オブザーバトリー」。大企業や富豪の租税回避報告書を10月に公表し、大きな反響を呼んだ。代表は同学院のガブリエル・ズックマン教授だ。同僚のトマ・ピケティ氏らと共同で進める格差の研究でも知られる。日本で最近会ったズックマン氏に教わり、報告書の内容に興味を持った。独自の制度通すだけで精いっぱい▼非居住者の金融
目次: 目次: はじめに 1. 『資本とイデオロギー』の概略 1.1 .『21世紀の資本』のあらすじ: 1.2. 『資本とイデオロギー』の全体的な話 1.3. 『資本とイデオロギー』のあらすじ 第I~II部:歴史上の格差レジーム/奴隷社会&植民地 第III部:20世紀の大転換 第IV部(その1):政治的対立の次元再考——問題編 第IV部(その2):政治的対立の次元再考——対策案 (第17章) 第IV部(その3):政治的対立の次元再考——対策案 (その他随所) 2. 通読する必要はないと思う 3. タイプ別読み方 『21世紀の資本』の続きとして読みたい人、つまり経済格差とその対応を知りたい人は…… 経済格差への対応を知りたい人は…… 世界各地の格差の変動プロセスの比較に興味ある人は…… 4. 最後に はじめに このたび、ついについに難産の子、ピケティ『資本とイデオロギー』が出ました。 資本と
やまざき・はじめ/1958年、北海道生まれ。東京大学経済学部卒業。現在、楽天証券経済研究所客員研究員。株式会社マイベンチマーク代表取締役。東京大学を卒業後、三菱商事に入社。野村投信、住友生命、住友信託、メリルリンチ証券、パリバ証券、山一証券、明治生命、UFJ総研など、計12回の転職を経験。コンサルタントとして資産運用分野を専門に手掛けるほか、経済解説や資産運用を中心に、メディア出演、執筆、講演会、各種委員会委員等を務めた。2024年1月1日、永眠。 山崎元のマルチスコープ 旬のニュースをマクロからミクロまで、マルチな視点で山崎元氏が解説。経済・金融は言うに及ばず、世相・社会問題・事件まで、話題のネタを取り上げます。 バックナンバー一覧 安倍晋三元首相の国葬の前後では、国葬の是非を巡る論争と旧統一教会問題の再燃で紛糾するだろう。そこでこのタイミングであらためて、アベノミクスの総括をしたい。筆
日本の消費増税「大失敗」 三度目の正直ならず―米紙社説 2020年02月19日07時06分 【ニューヨーク時事】18日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、「日本の消費税の大失敗」と題した社説を掲載した。昨年10月の消費税率引き上げをめぐり、1997年と2014年の過去2回の増税時と同様に経済に打撃を与えたとして、「三度目の正直とはならなかった」と皮肉った。 消費増税対策でも大幅減 ポイント還元、効果限定的―GDP 社説は、日本の昨年10~12月期の国内総生産(GDP)が、増税前の駆け込み消費の反動などで急減したのは「当然だ」と指摘。新型コロナウイルスの感染拡大にも触れ、「増税のタイミングとしては最悪」「回復力が最も必要な時に経済を締め付けてしまった」と非難した。 その上で、安倍晋三首相が12年の第2次政権発足時に掲げた「経済活性化に向けた大規模な政策改革」を実行していないと主張。「
帯に「民主主義は累進課税を選択しない。選択させたのは、戦争のみだった」との言葉がありますが、これは本書の主張を端的に表している言葉といえるでしょう。 20世紀の前半には累進課税が強化されて格差の縮小が見られたが、後半からは累進課税の弱まりによって格差が拡大しつつあるということはピケティの研究などによって知られていますが、この本では、その累進課税の強化が戦争の犠牲に対する補償という論理で導入され、戦争による大規模動員がなくなるとともに支持を失っていったということを示しています。 貧乏人は常に累進課税の強化を望んでいるようにも思えますが、実はそうではないのです。 目次は以下の通り。 第1部 課税をめぐる議論 第1章 政府が富裕層に課税する理由 第2章 市民の平等な扱い 第2部 政府はどのようなときに富裕層に課税してきたか 第3章 過去2世紀の所得税 第4章 相続財産への課税 第5章 文脈のなか
「外国人労働者も平等に扱う」としつつ、「日本人の雇用には悪影響を与えない」とも主張されているのだが、この二つは本質的に矛盾する。日本人を擁護するには、外国人を犠牲にせざるを得ないからだ。それなのに、都合良く、できるかのようにしてしまう。こうして左右の反対論が幻惑される中で、目の前の利権は、しっかりと獲得されて行く。矛盾が露呈し、「負債」が回って来るのは、不況になったときで、あとは野となれ山となれだ。 ……… 外国人労働者の受入れについては、中堅層以上は既に「開国」しているので、決断が求められているのは、貧困層を輸入するか否かであり、「人の自由化」なんて美しいものではない。日本は、貧困層には、福祉より仕事を与えることで安定化を図り、周辺国の貧困削減には、投資と援助による経済開発で対応した。ある程度、これが成功したから、強い流入圧力にさらされずに済み、今の社会がある。その意味で、「国是」の転換
マルキストの経済書を手にするなんて、滅多になくてね。でも、ブレイディ・みかこさんの気風の良さが好きで『そろそろ左派は<経済>を語ろう』を読んでしまったよ。筆者も齢で、まさにオールド・ケインジアンだから、資本主義の擁護者になるわけだが、世の中がどんどん右へ行ってしまい、昔は保守本流のど真ん中にいたのに、いつしか左に位置するようになった。国民のための経済を語らなくなったのは、右派も同じだと思うな。 ……… 筆者の信条は「経済成長を実現し、福祉国家を建設する」である。これは、高度成長期には、自民党の党是だった。今の世の中は、「経済成長はムリだから、福祉国家を抑制する」になり、果ては、「経済成長のため、福祉国家を圧縮する」なんて倒錯した主張まである。筆者は、経済成長も、少子化克服も政策次第と考えるから、敗北主義にしか思えない。若い人たちが将来を悟って達観するなんて、おかしくないか。 ポイントは、ど
公的年金の積立金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、7〜9月期の運用実績を発表した。この時期は、中国の景気減速懸念が表面化した通称「チャイナショック」で内外の株価が大幅に下落した時期だったので、どのくらいの損失額になっているかが発表前から注目されていた。 発表された損失額は7兆8899億円、収益率では−5.59%であった。9月末の運用資産額は135兆1087億円だ。 絶対額として大きな損失なので、「GPIFは何をやっているのだ」と怒る方、あるいは心配になる方がいらっしゃるかもしれないが、少なくともGPIFの運用部隊に対して「怒る」のは正しくない。 GPIFは昨年の10月に新しい「基本ポートフォリオ」を定めた。この基本ポートフォリオの内訳は、「国内債券35%、国内株式25%、外国債券15%、外国株式25%」である。 7〜9月期のそれぞれの資産の収益率は、国内債券が0.62
はじめに ギリシャを見ているうちに、中国の株式市場暴落があれよあれよという間にでかい話になってしまったけれど、でもギリシャも相変わらず負けてはいない。IMFに対して堂々のデフォルト、国民投票で正面切っての反抗、窮鼠猫を噛むじゃないけど、もうやけくそというか開き直りというか、実におもしろい。 デフォルトしてどうすんのよってことで、7月9日にはギリシャ政府はトロイカに対してちょっと譲歩した改革案を出しては見たけれど、それで合意できるんなら先月のうちに合意できただろう、とはみんな思ってると思う。時間稼ぎ以上のものではないと思うな。 そしてもし合意に達したとしても、それによってギリシャの状況がグンと改善して景気が上向き、借金をしゃきしゃき返せると思ってる人はだれもいない。2010年にも2012年にも、それやったもんね。それでいまのていたらく。緊縮で(それもギリシャがやってる超緊縮で)景気が回復する
深刻な財政危機に直面しているギリシャは、EUが求めている財政緊縮案を受け入れるかどうかを問う国民投票を7月5日に実施することを決定し、ユーロ圏離脱の可能性も出て来た。ギリシャを非難する意見は多いが、責任はギリシャだけにあるのではないという見方もある。 ◆資本規制発表で国内は混乱。影響は国外にも 27日に、ギリシャへの金融支援延長は債権団によって拒否され、28日には欧州中央銀行が、ギリシャの銀行に対する資金援助枠の引き上げを見送った。これにより、ギリシャには銀行の営業を停止させ、資本規制を導入するという選択しかなくなったとロイターは報じる。 資本規制の発表を受け、ギリシャの市民は銀行のATMに長蛇の列を作った。また、29日の日経平均もギリシャ混乱のニュースを受け、今年最大の下げ幅を記録。他のアジアの国々でも、為替や株式に影響が広がった。 ◆押し付けの緊縮策こそ問題 このような状況のもと、ビジ
衆議院選挙が終わった。ブログではいつも選挙前に自分の見通しを記してきたが、今回はポリタスに寄稿(参照)したのでブログには書かなかった。 率直に言うと、ブログに書くと気が滅入る嫌がらせが多く、忙しいときにその対応に時間を割くのがめんどくさい。というか、ブログに書くと不快なレスポンスが想定されるとあまり書く気力がしてこない。ただ、それでもいけないなあとは思う。 この件で言えば、私は自民党の支持者ではないが、自民党が勝利するだろうという見通しを持っていた。だが、そう書くと、自民党支持者であるとして批判を受けるという図柄がある。辟易とする。日本が負けるだろうと言えない戦中はこんな感じだったのだろう。戦争は負けるべくして負けたのであり、今回の与党は勝つべくして勝ったのだから、思想や意見というものを主張するなら、現状を冷静に見つめて未来に向けた見通しを構想していくしかない。戦後を復興させた人々はそうし
―― 再増税反対を唱える野党も、財源のプランを明確にできれば勝負はできると思うのですが。 そうですね。消費税への傾斜を今回の選挙でひっくり返すのは難しいのかも知れませんが、野党はそこに力を入れてほしいですね。 安倍首相が解散権を口にしたとたんに、民主党も含めてみんなが雪崩を打つように増税延期に傾いてしまった。争点が消失してしまったわけですね。「大義なき解散」という人は、争点のなさを問題にしているわけです。 しかし、私は消費税の延期にみんなが賛成したとは思っていません。首相の会見でも、延期はしても社会保障と税の一体改革の流れは堅持すると明言されていました。つまりこの道は、いずれにしても消費税は上がるという道なんです。仮にリーマン・ショック級のショックがあったとしても、どこかの時点で10%までは確実に上がる、これは動かしがたい現実です。 この現実を打破するような政党が現れるかどうかが一つのポイ
また農政の迷走が始まった。日本の農政は“猫の目行政”(猫の目のようによく変わる)と揶揄されたものだが、TPP交渉に関連してまたしても定見のない動きをし始めた。それは農業の現状を明確に把握しないままに、方針を打ち出すからだろう。病気の原因を特定せずに治療を行うようなものだ。 ここでは「規模拡大」に焦点を当てる。日本農業が再生しない理由は、農水省が愚かで農協が既得権益に固執しているからだけではない。「規模拡大」を叫ぶ財界人やエコノミスト、マスコミにも問題が多い。 なにも目新しいものではない安倍内閣の農政 安倍内閣は、TPPを推進するにあたり農業を成長産業にすべく改革を進めるそうだ。農産物の輸出額を1兆円にするとの目標を掲げている。 ただ、目標が低すぎる。1ドル100円として計算すると、FAO(国際連合食糧農業機関)の調べでは、小国のオランダでさえ7兆7000億円もの農産物を輸出している(201
12月2日に自民党安倍総裁が演壇に立ち、安倍氏がリフレ政策に転向した経緯と、現在の持論を展開している様子がニコニコ動画に掲載されていて*1、大変興味深いものがありました。 今朝の日経でも次の衆議院選挙で自公で過半数を取る勢いとも言われていますので、次期首相最有力の安倍総裁の考え方に耳を傾けてみましょう。*2 ここで私たちはどういう主張をしているかといえば、自民党の山本幸三さんという元財務省の人が主張していたことなんですね。 それを私は聴いていて、これは暴論だなと思っていたんですね。 実は私も誰も相手にしていなかったんです。 これは日銀の言うことの方が正しいのかな、と思ってきたんです。それがぱっとある時、必ずしもそうではなくて、山本さんの言うことの方が正しいのかなと。 私はこの分野(マクロ経済)は全然勉強をしてきたわけではないんですが、最近急にこれ(マクロ経済)についてお話を聴く機会を得なが
維新の会、遺産全額徴収を検討…共同通信 1 名前:歩いていこうφ ★:2012/03/10(土) 03:14:02.46 ID:???0 維新の会、遺産全額徴収も検討 「国家元首は天皇」明記 橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会が事実上の次期衆院選公約「維新八策」で掲げる相続税強化策に関し不動産を含む遺産の全額徴収を検討していることが9日分かった。資産を残さない「一生涯使い切り型人生モデル」を提唱、消費を促す税制に転換し、経済活性化を図る狙い。ただ内部に異論もあり、協議を継続する考えだ。 国家元首は天皇と明示することも判明。同会は10日、大阪市で開く全体会議で協議した上で、八策の概要を公表する方針だ。現段階で数値目標はほとんど打ち出していないほか、実現可能性が疑われる項目もあり24日開講の政治塾でも精査を続ける。 11 :名無しさん@12周年:2012/03/10(土) 03:19:1
国立科学博物館が困った「後継者がいない」 化石のレプリカ作り続けて50年、研究者らが惚れ込むレジェンド職人ついに引退 「路頭に迷いつつある都市」渋谷から見える日本社会の未来、カルチャーの行方とは? 社会学者の吉見俊哉さんとアーティストの宇川直宏さんが渋谷パルコで対談「渋谷半世紀」~若者の聖地の今~
エジプト軍部がなぜ巧妙に偽装したクーデターを画策したのか。その背景を知るのに、ニューズウィーク記者クリストファー・ディクニー(Christopher Dickey)氏の、13日付けニューズウィーク記事「The Tragedy of Mubarak」(参照)が興味深いものだった。いくつか気になったところをメモしてみたくなった。ちなみに、今日付けの日本版にも抄訳が載っているが、かなり記事に手を入れている。まあ、それはそんなものかな。 NHKのニュースなどでも、ムバラク元大統領に関連する欧州銀行口座が凍結されたみたいな話があり、それを聞いていると、ムバラク氏もかなりの不正蓄財がありそうにも思えるが、そうでもないらしい。 Mubarak’s fall is not a story like the one that unfolded in Tunisia, of a dictator and hi
まことに大きな利権集団が、閉花期を迎えようとしていた。 エッフェル塔が完成しパリ万国博覧会が開催された1889年(明治22年)4月9日、後に「アラビア太郎」と異名を取ることになる山下太郎が生まれた。場所は秋田県、今の横手市である。 地元の祖母の元で育てられ、10歳を過ぎてから東京の実母の家に送られ、青年期に北海道に渡り、札幌農学校(現北海道大学)に学ぶ。卒業後、各種のビジネスに手を染め、失敗を重ねながらも満州でビジネスを拡大した。第二次世界大戦後は石油資源の確保に尽力し、1957年、ペルシャ湾海底採掘権をサウジアラビアおよびクウェートの両国から獲得した。40年間の契約だった。これを契機に1958年、アラビア石油を創立した。 アラビア石油は、1960年から採油を開始した。石油が日本の高度成長を支える姿にアラビア太郎は満足しつつ、1967年、波乱の一生を終えた。同年、アラビヤン焼きそばが発売さ
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