「今度こそ」の期待がふくらむ核融合発電のスタートアップ企業 しかし近年のスタートアップの動きを見ると、今度こそとの期待が膨らむ。最も野心的な計画を打ち出しているのは米ヘリオン・エナジーだ。2028年にはなんと売電をはじめるという。米マイクロソフトは23年5月、同社と核融合発電では世界初の電力購入契約を締結した。 核融合発電は、軽い元素の原子核同士が融合し、重い原子核に変わる核融合反応を利用する。反応を起こすには気体にエネルギーを加えて原子から電子をはぎ取り、プラズマ状態にした上、むき出しの原子核同士を衝突させなければならない。ところが原子核はプラスの電荷を持っているので他の原子核と近づくと反発する。激しくのたうつプラズマをいかに制御し、効率的に原子核同士をぶつけるかが核融合発電の最大のポイントだ。