「ゲームに夢中になって止められない」ことが今年から病気になる予定だ。病気と名指すことの意味とは? そもそも依存のメカニズムとは? 神経内科医であり医療社会学も専門とする美馬達哉・立命館大学教授が解説する。 「ゲーム障害」が病気になる 2018年に発表される予定の「国際疾病分類第11版(ICD-11)」で、世界保健機関(WHO)は「ゲーム障害」を精神障害の一つとして正式に認める方針だという。 簡単にいえば、デジタル・ゲームやビデオ・ゲームに夢中になって止められない状態、いわゆる「ネトゲ廃人」だ。 国際疾病分類ICDとは、WHOがすべての病気や怪我を分類するために作ったもので、それに基づいて日本でも行政の疾病や死亡の分類が行われる。つまり世界標準で使われる公式の病名リストである。 現在使われているのは1990年に改訂された第10版(ICD-10)であり、ICD-11は28年振りの改訂となる。