古来、日本人にとって身近な存在の木を、食べる、飲むという行為と結びつける「日本草木研究所」。都内に広がる庭で、食べる木を育てる研究所を主宰する女性を訪ねた 【写真】草木を漬け込んだリキュール ■商品として販売されている草木酒(フォレストジン)、草木蜜(フォレストシロップ) 高低差が5メートルある傾斜地に樹齢50年以上のアカマツ、クロマツ、ツバキ、ヒノキといった木々が茂る。都会とは思えないこんな植生が広がる都心の約250坪の庭で、枝葉や木の新芽を摘んで食す、飲む、そんな活動が始まっている。庭を管理しているのは、日本人にとって身近な存在の木々を新たな資源として研究し、食べることと結びつける「日本草木研究所」。研究所を立ち上げた古谷知華さんは、これまで北海道から、長野、福島、岐阜、高知、鹿児島まで、日本の山々に分け入り、林業から出る間伐材を山主から分けてもらい、それらを蒸留してアルコールやシロッ