2017.11.15 14:00 インターセックスの人々は「第3の性別」を求めているのか? インパクトを求め、単純化した報道は当事者と家族を危険に晒す 11月9日、「『第3の性』認める法改正へ ドイツ憲法裁が国に命じる」というニュースが流れました。 このニュースは、戸籍に登録された性別を男女以外の「インター/多様」もしくは「多様」に変更できるよう求めた、ある「インターセックス」の体の特徴を持つ人の訴えをドイツの裁判所が認め、性別が登録されている成人に対して、男女以外の「第3の選択肢」(それがどのような表現になるかは未定)を認める法改正を国に対して命じる判決を出したというものです。 このニュースを報じたyahoo!ニュースには500件を超える賛否両論のコメントが寄せられています。そのほとんどが、インターセックスの体の特徴を持って生まれた赤ちゃんあるいは成人全員が、男女以外の「第3の性別」を求
9月中旬にOECDの「図表でみる教育」が出版されました。毎年この季節になるとこの報告書から日本に関するデータがフィーチャーされて巷を賑わせます。今年、最も興味深かったのは「日本は大学で学ぶ金銭的なメリットの男女間格差が先進諸国で最大」という報告の原因についてネットで色々と言及されていた点です。 そこで今回はOECDのデータを紹介するとともに、その原因に関する議論の問題点を指摘したいと思います。 大学で学ぶ金銭的なメリットの男女間格差 図1は、男女別の大学で学ぶ金銭的なメリットを示しています。ほぼ全ての国で、女性が大学で学ぶ金銭的なメリットは、男性のそれを下回っています。この現象の原因について報告書は「この現象の原因には様々な要因が存在する。例えば女性の低い賃金、低い雇用率、パートでの雇用の多さ、男女間での大学の専攻の違いなどが挙げられる。安価で質の高い幼児教育が利用できるかどうかも女性の労
ウェブ上での「表現の自由」議論の中で、頻繁に話題に上がるのが「性表現」に関するものだ。大手コンビニエンスストアが成人誌の扱いを取りやめたこと、また日本赤十字社の漫画『宇崎ちゃんは遊びたい』(KADOKAWA)とのコラボポスターのような、メディアでの女性の描かれ方への批判は注目されることが多い。 しかし肝心の議論の中身となると、同じように見える批判と、それに対する反論が繰り返され、平行線を辿っているように見える。特集「表現と自由」の中で、性表現に関する議論は欠かせないだろう。そこでジェンダー・セクシュアリティ等の研究をしている堀あきこさんに、フェミニストはなぜ批判をしているのか、そもそも法規制を求めているかなど前後編に渡ってお話を伺った。 堀あきこ 大学非常勤講師。社会学、ジェンダー、セクシュアリティ、視覚文化が専門。主な著作に『BLの教科書』(共編著, 有斐閣, 近日刊行)、『欲望のコード
2017.08.25 17:00 「俺だってつらいんだ」に終始する男性の生きづらさ論/『介護する息子たち』著者・平山亮さんインタビュー【1】 「聞く耳」を持たせる役割は男性にある――『介護する息子たち』を読むと、「ごはんをあげる」という家事のタスクが成り立つための、「感覚的活動」「関係調整」といった、本人も気付きづらいお膳立ての重要性が見えてきます。たしかに、スーパーで買い物をするときって冷蔵庫の中身とか、数日先の献立を見越したりしますよね。一般的にはまだ「イクメン」は、買い物担当や掃除担当といった、タスク労働を妻の依頼でこなすだけという人も少なくないと思います。男性に「感覚的活動」について知ってもらうために、どうすればいいとお考えですか? 平山 「知ってもらうためにはどうすればいいか?」という時点で、男性は「勝って」います。「知ってもらう」ために言葉を尽くして伝えなければいけない立場に置
2019.11.10 08:05 レズビアン死亡症候群、サイコレズビアン…ステレオタイプなマイノリティ描写はなぜ問題? このところ、日本では『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)や『きのう何食べた?』(テレビ東京系)など、ゲイの男性に関するテレビドラマがいくつか出てきて話題になっています。日本は英語圏に比べると、いくつか例外はあるにせよ、ゲイ男性を主人公とするテレビドラマが発達するのが遅かったのですが、それでもこのような番組が出てきたのは表現の多様化という点で歓迎すべきでしょう。 一方、ゲイの男性に比べるとまだあまり日本のテレビドラマに大きく登場していないのがレズビアンの女性です。おそらくこれからは出てくるのではないかと思いますが、その前に、これまで英語圏のテレビや映画でレズビアンの女性がどのように描かれてきたのかということをおさらいしておいてもいいかな……と思うので、今回の記事ではレズビアン
9月17日、愛知県名古屋市の23歳の男が、強制性交容疑で愛知県警一宮署に逮捕された。男は8月23日頃、SNSで知り合った11歳の女児を自宅に連れて行き、未成年者誘拐容疑で現行犯逮捕されていた。自宅で女児に乱暴した疑いについて、「間違いありません」と認めているという。 事件について詳細は不明だが、概要が報じられると「SNSで知り合った男の家に行く女児も悪い」「女児の意思で家に来ているのだから誘拐ではない」といった声が、ネット上で散見された。 しかし女児の意思がどうであれ、成人男性が11歳の女児を自宅に招き性行為に及ぶことは、正常な判断とは言えない。だから逮捕されている。 ごく一部ではあるだろうが、未成年の児童が成人からの性行為の要求に合意したり、あるいは児童側が大人を「誘惑」したりといった場合に、大人が流されるのは仕方のないことだと認識している人もいるらしい。 だが児童側がどのように振舞って
2019.06.06 17:05 強姦犯として地獄を体験したティーンエイジャーたち~『ボクらを見る目』ネットフリックスとSNSが米国社会を変える 成人刑務所に投げ込まれた16歳 監督のエイヴァ・デュヴァーネイは作品のタイトルを誰もが知る『セントラルパーク5』としなかった理由を聞かれ、「5人は個々の人間である」と答えている。アントロン、ケヴィン、レイモンド、ユセフ、コーリーの5人はハーレムに暮らす、ごく普通の少年たちだった。 1989年4月。春休みのある日の夕刻、5人を含む30人以上の少年がハーレムに隣接するセントラルパークに向かった。特に理由があったわけではない。若さと退屈が合わさり、一人が他に声を掛け、それを繰り返すうちにどんどんと人数が増え、皆、釣られるように加わっていった。 やがて数人が公園内にいた白人男性を殴るなどし始めた。それを見た5人はその場から立ち去るが、やがて逮捕される。全
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