米国では、受刑者は刑務所内でアルコール飲料の所有を許可されていない。だがそんな状況でも、アルコールを摂取しようと努める受刑者は後を絶たないという。この努力の成果として誕生したのが密造酒「Pruno」。別名「刑務所ワイン」とも呼ばれるアルコール飲料だ。受刑者はこれを独房のトイレ内に隠すことが多いため、「トイレワイン」とも呼ばれている。 Pruno は、刑務所の食堂で提供されるリンゴ、オレンジ、ケチャップ、砂糖、牛乳などを原料に作られることが多い。発酵には、パンに含まれるイースト菌が利用される。また、Pruno の醸造にはワイン樽ではなく、ごみ袋が使用される。完成したワインのアルコール濃度は、発酵日数によっても異なるが、14%に達することもあるそうだ。 Pruno の味は「吐き気を催すほど」ひどいものだという。だが囚人にとって味は問題ではない。アルコールであり、酔えること。それが最も重要なのだ