アイヌ民族の知られざる祭祀を記録したドキュメンタリー「チロンヌプカムイ イオマンテ」の予告編が公開された(※タイトル「チロンヌプ」の「プ」は小文字が正式表記)。 1986年、屈斜路湖を望む美幌峠で、75年ぶりに「チロンヌプカムイ イオマンテ」が行われた。狩猟民族であるアイヌの教えでは、動物は自らの肉や毛皮を土産にして人間の国へやって来るとされる。彼らはキタキツネを我が子のように育てると、そのキタキツネに祈りを捧げて歌や踊りで喜ばせ、土産を背負わせて神の国へ送る「イオマンテ」を執り行う。祭祀を司るアイヌ長老・日川善次郎エカシは、祈りの言葉の一言一句に魂を込める。60年代から日本とアジアの民族文化を撮り続けてきた北村皆雄監督が、86年当時の映像に2Kレストアを施し、貴重な祭祀の様子をよみがえらせた。漫画「ゴールデンカムイ」のアイヌ語監修者・中川裕がアイヌ語の現代日本語訳を担当した。 予告編では
平沢屏山「アイヌ風俗十二ヶ月屏風」(7月~12月) 紙本着色 6曲半双(函館市指定有形文化財、市立函館博物館) 7月:鱒漁図(テㇱ漁図) 8月:サケ漁図 9月:マレㇰ漁図 10月:出猟図 11月:神祈図 12月:熊送図 「わたしの偏愛美術手帳」では、各地の美術館の学芸員さんたちに、とびきり好きな「推し」の日本美術をうかがいます。美術館の楽しみ方といった、興味深いお話が盛りだくさん。このシリーズを通じて、ぜひ日本美術の面白さを再発見してください! 今回お話をうかがったのは、国立アイヌ民族博物館(北海道白老町しらおいちょう)の霜村紀子・資料情報室長です。紹介してくださるのは、平沢屏山ひらさわびょうざん「アイヌ風俗十二ヶ月屏風びょうぶ」(市立函館博物館)。アイヌ文化を伝える貴重な絵画史料を読み解く楽しさを、アイヌ絵を見る際の心得とともに教えていただきました。 ―「アイヌ風俗十二ヶ月屏風(7月~1
江戸時代 日本vsアイヌ…という単純な話ではない?「シャクシャインの戦い」について解説 江戸時代 アイヌ, 北海道, 松前藩 コメント: 1 投稿者: 草の実堂編集部 2022/2/10 現在の北海道が日本人による統治を迎えたのは日本の歴史の中で見れば比較的最近のことで、1885年(明治18年)のことである。 それまでは、日本人(和人)は「松前藩」にとどまり、また外の藩からは交易という形で現地の人々「アイヌ」と関わりを持ってきた。しかし、交易は双方の利害に関わることであり、片方が損失を被るような交易はもう一方への敵対心を煽ることになる。そしてそれがこじれれば戦争に至ることもある。 比較的文明の進んだ国が、自己の勢力下にない場所で現地住民と「交易」という名の不平等な取引を持ちかけ、最終的にその地を支配するというやり方は人類の長い歴史においていくらでもその事例が挙げられる。 今回は、北海道に住
ズィンミー(アラビア語: ذمّي、Dhimmī)とは、イスラーム政権下における庇護民のこと。具体的には、ムスリム支配者の統治下に一定の保護を与えられたキリスト教徒やユダヤ教徒をはじめとする非ムスリムを指す。 概要[編集] イスラーム草創期に預言者ムハンマドがアラビア半島の異教徒に庇護(ズィンマ ذمّة dhimma)を与えたことに始まる。続くアラブの大征服時代にアラブ戦士(アラブ・ムカーティラ)軍団は、中東全域から東はイラン高原、中央アジア、西はエジプトや北アフリカ、イベリア半島まで征服活動を続けたが、これらの征服を受けた地域の先住民たちはアラブ軍とイスラーム政権の下での庇護(ズィンマ)契約を結ぶこととなり、これらは全てズィンミーとして扱われた。各地に進出したアラブ・ムカーティラは現地勢力や戦争捕虜たちなどとアラブ社会でのパトロン・クライアント関係であるワラー関係(マワーリー)を結ぶ
世界のイスラム教徒の数がキリスト教徒を上回る日 仏教は減退し、キリスト教は現状維持、イスラム教は繁栄の時代を迎える――。 世界三大宗教と呼ばれる仏教、キリスト教、イスラム教の勢力が転換点を迎えている。将来的にはイスラム教が世界で最大勢力を獲得する見込みで、このような宗教構造の変化は国際政治や生活習慣などにも影響を与える可能性がある。 現在、世界最大の宗教勢力はキリスト教である。世界の総人口73億人のうち23億人(人口比で32%)をキリスト教徒が占めている。次いでイスラム教徒が18億人(25%)、ヒンズー教徒が11億人(15%)、仏教徒が5億人(7%)、民族信仰が4億人(5%)だ。日本の神道は国際的な分類では、「民族信仰」のカテゴリに入る。ちなみに、無宗教は12億人(16%)である。 この宗教構造が、ドラスティックに変化する。 世界の宗教動静を調査している米調査機関ピュー・リサーチ・センター
妻問婚(つまどいこん)とは婚姻の一種で、夫が妻の下に通う婚姻の形態のこと。招婿婚ともいう。 女系制の伝統のある社会など母権の強い民族に多く見られる婚姻形態[要出典]で、普通、子は母親の一族に養育され、財産は娘が相続する[要出典]。かつてこうした婚姻形態を持っていた民族として有名なのは、インド南部ケーララ州に住むドラヴィダ人、朝鮮半島、古代の日本人など。『後漢書』によると、高句麗では、婚姻は妻問婚で、子供が成長した後に夫の家に連れ還ったという。 女系社会における妻問婚[編集] かつてケララのドラヴィダ人は多夫多妻制の女系社会を築き、同じ一族に属する数世代の女系家族が同居する生活を営んでいた。一家の財産や社会的地位は女子が継ぎ、男子の地位や経済力は実家ではなく妻に準じる。女子の後見人は母の姉妹であり、男子の後見人は母の兄弟が務める。 彼らの家には幾つかの区切りがあり、女性達は共同の広間と自室を
それは、北方民族の間では珍味とされているが、それ以外の地域の人が食べると翌日にも命を落としてしまう可能性がある。1970年代に実際にそのような事件もあった。 北方民族の伝統料理は、他の地域の人々にとってかなり衝撃的なものである。たとえば、トナカイの熱い血や濃厚な「血の」スープ、トナカイの胃の中にある未消化の内容物などを食べてみようという勇気のある人はそういないだろう。ではデザートにはどのようなものがあるのだろうか?実はデザートも、本当に好きな人でないと食べられないものである。北方のアイスクリームは、ベリー類で「味が整えられているものの」、セイウチまたはアザラシの脂身でできているのである。 しかし、北方のもっとも奇妙でもっとも危険な珍味といえば、コパルヒン(クィムグートとも呼ばれる)以外にない。子どもの頃から食べ慣れていないと、命を落としてしまう危険性のある代物である。 「嘔吐、意識喪失、肝
齋藤君子 ヤランガに雁のとまる時 北方民族の語り1 ~シベリア先住民族の口承文芸~ シベリアの口承文芸の特徴 世界にはさまざまな民族が住んでいるが、どの民族にも代々親から子へと語り継がれてきた物語や歌がある。そうした口伝えの伝承を口承文芸と呼ぶ。口承文芸には叙事(じょじ))のジャンルと抒情(じょじょう)のジャンルがあり、叙事の中心的なジャンルは昔話と英雄叙事詩、それに伝説である。しかし、どの民族にもすべてのジャンルが揃っているわけではない。地域や民族によって、存在しないジャンルもある。日本国内を例にとれば、日本民族には英雄叙事詩はないが、アイヌ民族には世界の三大叙事詩の一つとして名高いューカラ(ラテン字表記はyukar)がある。シベリアの場合、特に英雄叙事詩が発達しているのは、南シベリアのチュルク・モンゴル系民族と極東のツングース系民族である。 シベリア先住民族の多くは近年まで主に狩猟、漁
カナダ、サスカチワン州にあったマリバル先住民寄宿学校の元生徒ディーディー・レラットさんは、「自分に注意が向くのが怖くて、トイレへ行きたいと申し出ることすらできませんでした」と語る。写真家のダニエラ・ザルクマン氏は、学校跡地に生えていた草を撮影し、レラットさんの横顔に重ねて、この写真を作成した。(PHOTOGRAPH BY DANIELLA ZALCMAN) カナダ先住民のディーディー・レラットさん(60歳)が、サスカチワン州カウエセスのマリバル寄宿学校に入れられていたのは、51年も前のことだ。しかし、そこで経験した虐待の記憶は、今もレラットさんに付きまとって消えることはない。「あの場所は、恐怖に満ちていました」 2021年6月23日、カウエセス・ファースト・ネーションが居留地内のマリバル寄宿学校跡地で751もの墓標のない墓を発見したと発表すると、レラットさんのなかで再びその恐ろしい記憶がよ
地球上に存在する言語は、英語やフランス語などのメジャーなものから少数民族によって話されているマイナーなものまで、数千もの種類があると考えられています。ところが、少数の人々しか話さない言語は消滅の危機にあり、これらの言語が消滅することで「貴重な医学的知識」が失われてしまうと指摘されています。 Language extinction triggers the loss of unique medicinal knowledge | PNAS https://www.pnas.org/content/118/24/e2103683118 The Global Extinction of Languages Is Threatening a Vital Type of Human Knowledge https://www.sciencealert.com/languages-are-disapp
私たち日本人は、縄文人の子孫が大陸から来た渡来人と混血することで生まれた。現代人のゲノム(全遺伝情報)を解析したところ、47都道府県で縄文人由来と渡来人由来のゲノム比率が異なることがわかった。弥生時代に起こった混血の痕跡は今も残っているようだ。東京大学の大橋順教授らは、ヤフーが2020年まで実施していた遺伝子検査サービスに集まったデータのうち、許諾の得られたものを解析した。1都道府県あたり50
日本の北方の先住民アイヌ民族についてほとんどの日本人は学校で習ったはずだが、アイヌ料理を食べたことがある日本人はかなり少ないだろう。そのアイヌ料理を出す居酒屋が東京にある。世界各地の知られざる事象を紹介する米メディア「アトラス・オブスキュラ」が、食文化の観点から「多民族国家」日本に光を当てる。 東京都心の喧騒のなかに、ほの暗く、ひっそりとした軒先が見える。韓国焼肉屋やネオン眩しいカラオケ店が並び、夜な夜な賑わいをみせる大久保界隈とは別世界に誘われたようだ。 開け放されていることの多い扉口から入り、写真が並ぶ廊下を通ると、奥に柔らかな光で照らされた空間がある。店内では催眠術のようなリズムの古代の民謡が聞こえ、自家製スープの匂いが流れてくる。 この小さな居酒屋には、テーブルが5つと奥にキッチンがあるだけだ。木と藁の装飾に囲まれ、さまざまな工芸品が展示されている。曲線模様が彫られた木製の弦楽器、
展覧会「アイヌの装いとハレの日の着物 ─国立アイヌ民族博物館の開館によせて」が、東京の渋谷区立松濤美術館にて、2021年6月26日(土)から8月9日(月・休)まで開催される。 アイヌ民族の服飾文化を紹介《木綿衣(チウカウカプ)》19世紀 東京国立博物館蔵 Image: TNM Image Archivesアイヌの歴史や文化を伝えてゆくため、2020年7月、北海道白老町に開館した国立アイヌ民族博物館。その開館1周年を記念して開催される展覧会「アイヌの装いとハレの日の着物 ─国立アイヌ民族博物館の開館によせて」では、アイヌ民族の服飾文化を2章構成の展示で紹介する。 素材の多様性と意匠の豊かさ《厚司衣装(アットゥㇱ)》日本民藝館蔵 撮影:村林千賀子第1章では、アイヌの装いにおける素材の多様性と意匠の豊かさに着目。アイヌの衣服には、古くは獣皮や鳥皮、樹皮、木綿といったさまざまな素材が使われていた。
アイヌ語の歴史の深層です 関連 千島アイヌ語 https://www.youtube.com/watch?v=zqVTzhzMTvg
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