『だるまちゃんとてんぐちゃん』(福音館書店)、『からすのパンやさん』(偕成社)などの絵本の著者として知られるかこさとしさん。2013年、ふるさとの福井県越前市に「かこさとしふるさと絵本館らく」が開館し、今年6月には自身の半生を語った『未来のだるまちゃんへ』(文藝春秋)を上梓した。応用化学の研究者の道を歩き始めてから絵本作家に転身した異色の経歴を持つかこさんに、子どもの心をつかむ創作の秘密と、これまでに出会った子どもや親たちについて、話を聞いた。(日経DUAL特選シリーズ/2014年9月収録記事を再編集したものです。) 自信作の紙芝居を披露。ところが子どもは一人減り、2人減り…… ――1967年に初版が刊行されてから、50年近く子どもに愛され続けている絵本『だるまちゃんとてんぐちゃん』。だるまちゃんシリーズは今に至るまで続いており、今年7月刊行された『だるまちゃんとにおうちゃん』で8冊目とな