Posted by :早尾貴紀 エチオピアには古代キリスト教の文化習慣が色濃く残っていると言われるが、それはその地域のキリスト教への集団的「改宗」以前の「ユダヤ教」と通底するものとされている。だが、はたしてそれはいわゆる「ユダヤ教」と言えるのかどうか。 ユダヤ教は、何をさしおいても、バビロニア・タルムードを抜きには語れない。神殿崩壊と捕囚、そのディアスポラの地において編纂された聖典タルムード(律法に対するラビたちによる膨大な解釈文書群)こそが、ユダヤ教文化を形作ってきたと言える。そのタルムードが成立したのは6世紀頃と言われている。 それ以前にキリスト教化したエチオピアにおいて、現在でも「ユダヤ人」が残っている/いたとしても、彼らが信奉しているのは、「トーラー」(モーセ五書:旧約聖書の最初の五書)であって、タルムードは一切受容されていない。それゆえに、イスラエルのラビたちの多くは、「ファラシ