テレビが一番見られた日 テレビ業界には、「総世帯視聴率」(HUT)という用語がある。これは視聴率調査の対象となっているすべての世帯のなかで、テレビをつけていた世帯の割合を示す。 この数値の低迷に、テレビ局は個別の番組視聴率よりも頭を悩ませている。それは、お茶の間の「テレビ離れ」を明確に示す数字だからである。 '53年にテレビ放送はスタートし、'62年末からビデオリサーチによる視聴率調査が始まった。 ページ末のグラフは、HUTの推移をまとめたものである。 調査を開始した'63年のゴールデン帯(19時~22時)のHUTは75.4%。すでにテレビを見る習慣ができていた。 '63年当時、テレビの受信契約数は1000万台を超えており、同年のNHK『紅白歌合戦』の視聴率は81.4%と驚異的な数字を記録。テレビは「娯楽の王様」だった。 一方で、同年初めて日米間のテレビ衛星中継実験が成功し、11月23日に