知っての通り、人間には五感というものがある。トカナでは、しばしば「六番目の感覚/第六感」について触れることが多いが、これは誰にでも当てはまるわけではない。それと同様に、今回もまた非常に稀な“感覚の話”なのである。5月、米国のウェブサイト「OddityCentral」に掲載された記事をもとに、この不思議なケースを紹介しよう。 ■キーワードは脳検査によって証明された“味覚”共感覚 ジェームズ・ワナートンさんはイギリスに住むごく普通の男性だ。彼に普通ではない部分があるとすれば、それは「音を舌で味わうことができる」という点だろう。 彼がこの感覚に気がづいたのは、少年時代のことだった。なにか音を聞くたびにさまざまな「味」を感じていたのだという。たとえば歴史の授業でヘンリー八世の2番目の王妃「アン・ブーリン」の名を聞いた時には「強い梨の味」を感じ、「日付」をあらわす言葉は日によって「ハーブやワイン、ガ