EP-4の佐藤薫が設立したレーベル『φonon(フォノン)』。今年は通算8枚のCDをリリースするなど活発な活動を続けるこのレーベルについて、webDICEでは思想史家の市田良彦氏によるアニュアル・マニフェストを掲載する。 2018年初頭に発動した『φonon(フォノン)』は、EP-4の佐藤薫が’80年代に立ち上げたカセットテープ・メディアを中心としたインディー・レーベル『Skating Pears(スケーティング・ペアーズ)』のサブ・レーベルだ。佐藤がディレクターを務め、組織らしい組織はつくらず、リリースごとにアーティスト本位のスタッフ構成で運営。現在となっては〈去りゆくのみ〉という感の強いCDメディアをメインに、エレクトロニクス/ノイズ/アンビエント──系の作品を、これまで8枚のCDアルバムとしてリリースしてきた。なぜいまCDなのか……とはよく問われるところだが、新作をアルバム形式で発表