学校は何のためにあるのだろう。「教育改革実践家」として各地で活動してきた藤原和博さんは、人生の学びのうち学校教育の存在感はせいぜい3割だという。今後は、人工知能(AI)の普及などによって1割以下に低下するという予想も示す。そんな時代に学校はどうあるべきか。新著「学校がウソくさい」(朝日新書)で、学校教育の本来の役割を見つめ、具体的な提言をまとめている。 「普通の子」向けは古い 学校がウソくさい。挑発的なタイトルだ。黒板と教科書で一律に教える「一斉授業」の機能不全や、教員の能力の限界。本書で藤原さんは、教育現場の「ごまかし」を次々と明らかにし、学校や教師にウソをつかせているのは社会だと指摘している。 藤原さんは2003~08年、東京都杉並区立和田中学校で、東京の義務教育校では初の民間人校長を務めた。「都市部の学校だと、半分以上の生徒が塾に通っていることも珍しくありません。教師からすれば、授業