武雄市の樋渡啓祐前市長が市議会や個人ブログで「借金を踏み倒した」などと中傷して名誉を毀損(きそん)されたとして、谷口攝久市議らが損害賠償を求めた訴訟の判決で、佐賀地裁は22日、訴えの一部を認めて武雄市に33万円、樋渡前市長に28万円を支払うよう命じた。 立川毅裁判長は、原告側が主張した14回の問題発言のうち6回は中傷の相手が谷口市議と特定されているとし、「不誠実との印象を与え、社会的評価を低下させる」と指摘。市議会での中傷行為については「市長の議会答弁は公務員の職務」として、市に賠償責任があるとの判断を示した。 判決によると、樋渡前市長は2014年の6月議会一般質問で、谷口市議を指すようにして「借りた金を返さない」「無職の高齢者の借金を踏み倒して」などと発言した。ブログでも同様に中傷し、判決は文章の該当部分の削除も命じた。