イヌとネコの唾液の中に抗菌効果があるという研究結果はあるが、それは同じ種内での話だ。 (PHOTOGRAPH BY WILLARD CULVER/NAT GEO IMAGE COLLECTION) 愛犬や愛猫にキスをされたり、なめられたりするのは、飼い主としてはうれしいものだ。また古来、イヌの唾液には傷を治す効果があるという言い伝えがある一方で、実際には次に紹介するように、危険な感染症にかかる事故も起きている。イヌやネコの唾液にははたしてどのような病原体が潜み、どれほど広まっているのだろうか。 ギャラリー:世界の街ネコ、写真15点 遺跡で遊び、神社でお昼寝 2007年のことだ。オーストラリアのミルデューラにある病院にジュリー・マッケナさんが運びこまれたとき、彼女はろくに口もきけない状態だった。両腕と両脚は冷えて斑点が出ており、顔は紫色がかっていた。 医師たちはすぐに、ジュリーさんの状態を敗
<米食品安全検査局によって、調理前の鶏肉を洗う習慣に関する調査が行われた。家庭では珍しくない行動だが、米政府はなぜこの習慣を問題にしているのだろうか?> 「生の鶏肉を洗うな」という警告は米欧では一般的だが、わかりにくいし意味が伝わりにくい。2019年8月、米農務省(USDA)は「事前に鶏肉の調理と食品衛生に関する情報を受け取ったことがない場合、61パーセントの人は鶏肉を洗ってから調理する」という調査報告を発表した。 多くの人が「家族がいつもそうしていたから」「ヌルヌルや血合いが取れる」といった理由で鶏肉を洗っている。家庭では珍しくない行動だが、米政府はなぜこの習慣を問題にしているのだろうか? 調理前の鶏肉を洗う習慣に関する調査が行われた 調理前の鶏肉を洗う習慣に関する調査は、USDA内の米食品安全検査局(FSIS)による食品衛生と消費者行動に関する2019年版報告書で明らかになったものだ。
どんなコラム? 職業は科学ライターだけど、毎日お買い物をし、家族の食事を作る生活者、消費者でもあります。多角的な視点で食の課題に迫ります プロフィール 京都大学大学院農学研究科修士課程修了後、新聞記者勤務10年を経て2000年からフリーランスの科学ライターとして活動 山崎製パン(株)はもう、臭素酸カリウムを使っていない。このことを私は、本欄でも書いたし、雑誌の連載記事などでも書いている。しかし、相変わらず間違った情報が多い。最近ではこれ、である。すかさず、産経新聞の平沢裕子記者が『山崎製パン「添加物バッシング」の真相は? カビにくいのは「無菌製造だから」臭素酸カリウムは残留ゼロ&現在使用せず』という記事を出していた。 記事にもあるとおり、山崎製パンは臭素酸カリウムを2014年2月から使用していない。私は、記事にも登場する山崎製パン中央研究所の山田雄司所長に思い切って尋ねたことがある。同社が
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