気が付くと、私は妙な制服を着て、市ヶ谷の防衛省で演説を始めようとした。そうか、集団的自衛権行使に反対する学者グループの代表として、防衛省、自衛隊に呼び掛けに来たのだった。 「諸君は、憲法9条の下、日本を守る自衛隊として、国民の生命と生活を守るために素晴らしい仕事をしてきた。平和に徹する活動は、国民の感謝と諸外国の信頼を勝ち取っている。今、内閣の憲法解釈の変更によって、自衛という金看板を捨て、外国の訳の分からぬ戦争に送られようとしている。自衛隊の誇りにかけて、こんなまやかしは断固拒否しなければならない。」 なんだか、ハト派の三島由紀夫みたいだな。すると、数えきれない自衛隊員が列を組んで靖国通りを都心に向かって行進し始めた。「首相官邸に行って、外国の戦争のために死ぬつもりはないと伝えよう」という声が聞こえた。 「待ってくれ。シビリアンコントロールを破るのか」と言うと、「戦争知らずで戦争好きの政