ベルリンの壁が崩壊したのは、ちょうど25年前の今日(1989年11月9日)のことだ。ベルリンの壁の崩壊は、共産主義の終わりを告げる象徴的な出来事と見なされている。疑いもなく祝うべき出来事だ。 共産主義および冷戦が終わりを迎えると、人類の歴史で最良の時期の一つが到来することになった。グローバリゼーション――あるいは、グローバル資本主義(資本主義のグローバル化)――の時代がやって来たのだ。共産主義は、貧困の撲滅を目的に掲げていたが、その目的を叶えることはできず、むしろ数十億の民を抑圧したのだった。 それとは対照的に、グローバリゼーションは、途轍(とてつ)もなく強力な貧困撲滅プログラムの一つであるようだ。いつもキレキレのダグラス・アーウィン(Douglas Irwin)がウォール・ストリート・ジャーナル紙で次のように語っている。 世界銀行が(2014年)10月9日に発表した報告書によると、極度の