<社説>地震国の原発 安全な場所はあるのか 2024年2月7日 07時42分 能登半島地震で最大震度7を観測した石川県志賀町は、原発のあるまちだ。北陸電力志賀原発=写真、本社ヘリ「わかづる」から=は、こう問いかける。世界有数の地震国日本に、原発を安全に動かせる場所などあるのか、と。 再稼働に向けて審査中の志賀原発には「想定外」のトラブルが相次いだ。変圧器の配管が損傷して絶縁のための油が大量に漏れ、外部電源の一部を喪失。そのため、使用済み燃料プールの冷却ポンプが一時停止した。また、強い揺れにより、燃料プールから放射能を含んだ水があふれ出た。変圧器の故障は地震時の影響の想定にもないトラブルだった。 北陸電は、再稼働審査に際し、能登半島北部の活断層の長さを96キロと評価していた。ところが今度の地震では、長さ150キロにわたって動いたとみられている。 能登半島北部の海岸線では最大約4メートルの隆起