アイ・シャル・リターン 再び「目に見える」存在となった小池都知事 「今のところ最も首相に近かった日本女性」のこれまでとこれから 岩本美砂子 三重大学人文学部教授 新型コロナウイルスの席捲による危機の中、小池百合子都知事の存在感が増している。東京都知事選の再選はほぼ間違いなしとみられる中、女性初の総理大臣も視野に入ってきた。 「小池百合子」という政治家はいかにして生まれたのか。小池を含む日本の女性議員がいかに誕生し、いかに消えていったのかも含めて、検証していこう。 土井たか子と小池百合子 1995年6月13日、当時野党の新進党に属していた小池百合子は、衆議院の「戦後50年決議」に関して、与党の自民・社民・さきがけ連立政権の案に反対した。決議は全会一致が通例だが、左派はアジアへの謝罪が足りないとし、新進党を含む右派や自民党の一部は正しい戦争であって謝る必要はないとした。欠席者の多い中で、賛成者