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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/zoot32 (9)

  • 神の子どもたち - 空中キャンプ

    渋谷駅前の交差点、路上に設置されたスピーカーから流れてくるのは、いくぶん抑揚に欠けた男性の声で、その声は「キリストを呼び求める人は救われます」と何度も繰り返していた。たくさんの通行人が行き交う年末の渋谷。強風で、外は寒い。信号待ちをしながら、わたしはふと気がついた。「キリストは罪を赦し、永遠の命を与える」──そう書かれた看板を持って立っていたのは、小学校五年生くらいのちいさな女の子だった。 われわれは親を選択することができない。どのような親のもとに生まれるのかを選び取ることができない。両親は、彼らにとって「善きこと」を子どもに伝えようとするし、そこにはそれぞれの親の価値観が大きく関係してくる。それはときに宗教であったり、ある種の思想であったりもする。親は「善きこと」を子どもに伝える。それはあたりまえのことで、他人があれこれと口をだす問題ではないのだとおもう。 両手でしっかりと看板を支えなが

    SeiSaguru
    SeiSaguru 2008/12/31
    どうだろ… 何か、同じ匂いがするけどな。
  • 2008年の映画をふりかえる/結果発表 - 空中キャンプ

    みなさんこんにちは。空中キャンプを書いている者です。今年いちばんおもしろかった映画を、みなさんの投票により、ちょう民主主義的に決定する「2008年の映画をふりかえる」の結果がでました。さっそく、順を追って発表していきたいとおもいます。みなさんからは、あらかじめ以下のフォーマットにてアンケートを集めました。 名前(id、もしくはテキトーな名前)/性別 2008年に劇場公開された映画でよかったものを3つ教えてください 2で選んだ映画の中で、印象に残っている場面をひとつ教えてください 今年いちばんよかったなと思う役者さんは誰ですか ひとことコメント 参加していただいた方々の人数と男女比は以下です。 まずは、参加していただいた方々にお礼を述べたいとおもいます。ありがとうございます! 今まででいちばんの人数、ついに大台の3ケタに到達しまして、よりたくさんの方の意見が含まれた貴重な調査結果になったので

    2008年の映画をふりかえる/結果発表 - 空中キャンプ
    SeiSaguru
    SeiSaguru 2008/12/26
    乙でありました! ずいぶん映画あったんだなぁ… 半分くらい知らない映画だったー(>▽<;; アセアセ 来年も良い映画の年になりますよーにっ
  • ひどいことになります - 空中キャンプ

    中学のころ、授業や掃除が終わってから、明日の予定や注意事項などを報告する時間が設けられていた。おそらく15分くらいである。名称はおもいだせないが、「帰りの会」と呼んでいたような気がする。ださいネーミングである。帰りの会。あれは正式名称だったのだろうか。 帰りの会では、なぜか出席番号順に発表をさせられた。たとえば、「野球部が県大会に進みました」とか、「花壇にひまわりが咲きました」などの話題をそれぞれが準備しておき、一日ひとりずつ教壇に立って発表するのである。進路のことや時事問題などでもいいし、とにかくなにかしらトピックを考え、それをみんなの前で話さなければいけない。 もちろん、こんなことを進んでやりたがる者は誰もいないし、みんな自分の番になると、できるだけあたりさわりのない話題を選んで1分くらいの発表をしてから、「これで終わりです」と宣言、そそくさと席に戻るといった感じできわめていいかげんに

    SeiSaguru
    SeiSaguru 2008/05/18
    帰りの会、あったあった、小学生の時だけれど。なるほどだねー。嫌だ嫌だってやると、つまんないものになっちゃうのか…、むしろ活かしてみようと思えばまた違うものになったかもしれないってことか…
  • 温度をなくす発想 - 空中キャンプ

    わたしの通っていた小学校の近くには公園があって、クラスの男はみんなそこで野球をしていた。当時、わたしたちの野球熱はあきらかに常軌を逸しており、たいていの子どもは野球のこと以外ほとんどなにも考えられないといった腑抜けの状態で、学校が終わればまっすぐ公園まで走って移動し、ランドセルを降ろすのももどかしく、さっそく試合開始。雨の日をのぞけばほぼ毎日、野球をやっていた。 大雨の翌日など、公園の土はひどくぬかるんでいて、野球をやれば泥だらけになってしまうのだが、そのていどではわれわれの荒ぶる魂を止めることはできず、みなや服が泥まみれになるのもかまわず試合に没頭した。しかし中には、服を汚して帰ると親に叱られる子ども、また、きれい好きで泥だらけになるのを嫌がる子どもなどもいて、彼らは他の子どもたちが野球に熱狂するかたわら、できるだけや服が汚れないように気をつけながら遊んでいた。 そうした子どもは、自

    SeiSaguru
    SeiSaguru 2008/05/05
    これも最強赤色的思想かな
  • 2007-10-06 - 空中キャンプ

    ふと、「カレーべたいな」とおもいたって、スーパーへ買いものにでかけるようなタイミングがある。カレーを作るぞ、というつよい意志に導かれて、スーパーへと向かうわけである。しかし、そこでどうにもてれくさいのは、かごに放り込んだ材のラインアップだ。カレールーにくわえて、じゃがいも、玉ねぎ、にんじん、肉、福神漬。これらをレジに出すのがとても恥ずかしいのである。まるわかりじゃないか。かごの中には、わたしの欲望がつまっている。心なしか、レジ係の人が口の端でわらっているような気がしてきてしまう。 「おや、今日はカレーですか。あなたはいかにもカレーが好きそうな顔をしていますね。皿までなめそうな感じがしますよ。さあ、この材料を持ってかえって、鍋いっぱいに作るといいでしょう。あっ、ごはんは三合ていど炊くといいかも知れませんね。なにしろ、腹ぺこ君なんでしょうから…」などと、すっかり侮蔑されているようだ。いい

    SeiSaguru
    SeiSaguru 2007/10/07
    うむ。わかる。でも、多分、レジのおばちゃんも隣のおばさんもそんなの全然見てなかったり、たいして注意をはらってないという、もっと恥ずかしくなる事実をあげてみる…。
  • 空中キャンプ - あたりまえのこと 2007-09-20

    いぜん、心理学者の岸田秀が書いたエッセイを読んでいて、とてもおもしろいとおもったのは、彼がまだ若かったころ、ある日「世の中にはつまらないがある」という事実を発見した、という文章だった。岸田は、この世の中につまらないがあるなどとはかんがえもしなかったのだという。かわりに岸田はこうかんがえていた。というものが、人手と時間をかけて作られている以上、その中には有意義な内容が込められているに決まっている。出版社がわざわざ印刷をし、書店に並べるからには、もちろんその中身はしっかりと吟味されているはずだし、無内容な、つまらないを、手間をかけて出版するなどということはありえない。どんなでも最後まで真剣に読み通す習慣のあった岸田青年は、かたくなにそう信じていたわけだ。 ところが岸田は、あるタイミングで発見してしまう。この世界には、つまらないというものがあると。読んでもいっこもいいことがない、た

    SeiSaguru
    SeiSaguru 2007/09/21
    ああ、言葉にするとものすごく当たり前になっちゃうんだよなぁ…「あたりまえじゃない」って言う人が本当の意味でそのことを理解しているとは思えない気もする…
  • 空中キャンプ - 2007-09-07 とりあえずなにか言ってみる

    いぜん通訳の学校にかよっていたとき、もちろん学期の最後には評価があるんだけれど、評価の項目のひとつに、「自信」(Confidence)という欄があって、これはおもしろいなとおもっていた。どれほど文法的に正しくても、発音がきれいでも、びくびくしながら話していては評価が下がるのである。逆に、時制も構文もめちゃくちゃで、発音もひどいんだけど、いったんディスカッションがはじまると、マーティン・ルーサー・キングばりの演説をぶち上げるタフな女の子とかいて、彼女はけっこう高評価だった。わたしは、どうにか Confidence のスコアを上げようと、すこしテンポを落としてゆったりと話すようにしたり、語尾に I think(…とおもうんです僕) とか I guess(たぶんですけども)とかつけるクセをなくすように工夫していた。このあたり、努力や学習というよりは、ほんらいの性格とか度胸の問題になってきて、いま

    SeiSaguru
    SeiSaguru 2007/09/08
    これはおもしろい。
  • 空中キャンプ してはいけない反省

    反省、という行為には、いまひとつよくわからないところがある。反省って基的にいいこととされているじゃない。世の中的にさ。己を省みる。しかし、しなくていい反省、するだけムダな反省、むしろしてはいけない反省というものもあるようにおもう。反省もほどほどになさいという意味あいのことを、僭越ではありますが、わたしが今からお伝えしていこうとおもう。 わかりやすい例をあげると、たとえば恋愛において。意中の相手にメールを送ったとします。しかし返信がこない。あれっ、なんでだろう。自分はなにかまずいことを書いただろうか。そんなことないとおもうんだけどな。うーん。そういえばこの前会ったときに、遅刻しちゃった。あの日はどうもお互いに機嫌がよくなかったような気がする。なにかヘンなことでも言ったかな…。ことほどさように、人はなぜかひとりでに「反省マシーン」と化して、自分のおこないをひとつひとつ検証してしまう。しかし実

    SeiSaguru
    SeiSaguru 2007/07/27
    してはいけない反省って考え方が素敵。反省のループにのっちゃって、ぜんぜん生かせなくなってしまうのだとしたら、まったく意味のないものとなってしまうのだろう。
  • 空中キャンプ - ひとり占めはんたい

    僕の娘は七歳だ。彼女は、性格的に僕にはあまり似なかった。活発だし、頭も切れる。いずれは総理大臣になるのだという。それが彼女のおおきな目標である。七歳の僕は、そんな目標を持ったことがなかった。そもそも、七歳の僕に、なにかしらの目標などあったのだろうか。彼女はとてもキュートな子だが、総理大臣にはいささか不向きなのではないかと僕はおもう。 「びんぼうな人をなくすの」と、彼女はいった。「それが、きみの公約なんだね」と、僕は答えた。わるくない公約だとおもった。なによりわかりやすいところがいい。「ねえ、コウヤクってなに?」と、彼女は注意ぶかく訊いた。「約束だね。『わたしが総理大臣になったら、こうします』」「そうよ。あたしのコウヤク。びんぼうはんたい」。そして彼女はコーンスープをひとくち啜った。僕たちは、朝のテーブルに向かい合ってすわっていた。 「すごくお金もちの人がいて、とってもびんぼうな人もいる。

    SeiSaguru
    SeiSaguru 2007/01/26
    おもしろい! 考えさせられますな。
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