昨年、不満をぶつける株主はおらず、終始、和やかな雰囲気で幕を閉じたトヨタの株主総会。打って変わって今年は、時間、質問(3時間2分、32問)ともに過去最高。”熱気”を帯びた株主総会だった。 総会前から注目を集め、株主総会でも質問が集中したのが第7号議案。「AA型」と名付けた種類株の発行決議だった。これは、5年間売買できない代わりに元本保証がある特殊な株式で、次世代技術の研究開発資金の調達と、中長期でトヨタを支えてくれる株主の創出が狙いだ。 まったく新しい株式に対し、議決権行使助言会社の最大手である米インスティテューショナル・シェアホルダーズ・サービシーズ(ISS)は、安定株主を増やすことが経営の規律を失わせるといった理由などから、反対を表明。海外の機関投資家を中心に発行に対する批判の声が高まっていた。 「メリットが分かりにくい」 6月16日の総会では、新型株の発行に対して「デフレ時代に自信を