切削工具を製造する日本特殊陶業セラミック関連事業本部機械工具事業部は、2006年からTOCを活用して、社外の製造や設計など広範囲で納期短縮などに取り組んでいる。製造部門の仕掛かり在庫を半減するとともに、注文から納品までのリードタイムが最大83%短縮した。 日本特殊陶業セラミック関連事業本部機械工具事業部で改善活動に取り組んでいた製造部の山田正通次長は2005年当時、思うように成果が出ないことに悩んでいた。2002年からインダストリアル・エンジニアリング(IE)などを活用して各工程の歩留まりを改善するなどしたものの、製造部門全体の財務的な成果に結び付かなかった。 山田次長が全体最適の実現手法として目をつけたのが、TOC(Theory of Constraints=制約条件の理論)だった。イスラエルのエリヤフ・ゴールドラット博士が考案した業務改革手法である。 日本特殊陶業セラミック関連事業本部