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ブックマーク / natrom.hatenablog.com (31)

  • 因果関係も不明なのに「ワクチンの副反応が出やすい素因」を特定できるはずがない - NATROMのブログ

    2023年8月からX(旧Twitter)にて、元杏林大学保健学部准教授の平岡厚さんと対話を続けています。平岡さんは「HPVワクチンの深刻な副反応・薬害としての自己免疫性脳症が、相当規模で存在していると推測」しておられます。具体的にはワクチン接種者の「数千人に1人」が「POTS, CRPS, ME/CFS, 繊維筋痛症などの症状が入れかわり立ちかわり現れ、認知障害なども絡む」症状を呈するとしています。 平岡さんの主張の一つに、「接種を受けると副反応が出やすい素因」を持つ人をワクチン接種対象から外すことで問題解決が可能になるというものがあります。 →接種を受けると副反応が出やすい素因を持つ人がいることが分かるので、そういう人を接種対象から外す方向で、問題解決が可能になるのではと思います。私は、「HPVワクチンを接種すると重篤な副反応が出やすい素因を持つ人が接種を受けたことに起因する現象が起きて

    因果関係も不明なのに「ワクチンの副反応が出やすい素因」を特定できるはずがない - NATROMのブログ
  • 撤回された論文は根拠にならない - NATROMのブログ

    2023年8月からX(旧Twitter)にて、元杏林大学保健学部准教授の平岡厚さんと対話を続けています。HPVワクチンは安全で効果的というのが世界中の専門家のコンセンサスですが、平岡さんはHPVワクチンの深刻な副反応・薬害が相当規模で存在すると主張しています。 HPVワクチン接種の有無にかかわらず血液脳関門の異常で害が起きるのは当然 平岡さんが提示する仮説の一つは「日常的に抗体値を高くさせられている人は、血液脳関門に異常が生じた場合、通常なら中枢神経系に入らない物質が侵入して悪さをするのでは」というものです*1。しかし、私のみるところでは平岡仮説はとくに根拠がない思い付きに過ぎないように思われました。 「日常的に抗体値を高く」するのはHPVワクチンだけでなく、他のワクチンだって同じです。B型肝炎ワクチンはHBs抗体価を高くしますし、麻疹ワクチンは麻疹ウイルス抗体価を高くします。なんならワク

    撤回された論文は根拠にならない - NATROMのブログ
    TakayukiN627
    TakayukiN627 2024/03/01
    撤回論文が根拠って。。。平岡氏が酷すぎる。
  • 「宝くじの誤り」 - NATROMのブログ

    宝くじの誤り」とは、「中には大きな利益を得る人もいるかもしれない」という理由で利益が害よりも大きいことが証明されていない医療行為を容認する考え方を表すために私が提案したい言葉である。医療行為には不確実性がある。公的に推奨されている医療行為でも利益はなく害だけを被る人もいるが、集団全体では害よりも利益が大きいとされている。害よりも利益が大きいと十分に証明されていなかったり、逆に利益よりも害が大きいと証明された医療行為は推奨はされていない。 宝くじを購入する行為の金額の期待値はマイナス*1であり、宝くじを買った集団全体では損の方が利益より大きい。しかし、少数ながら、きわめて大きな利益を得る人もいる。宝くじを買う人たちのほとんどはそうしたことを承知の上で宝くじを買うのだろう。ならば、集団においては害が大きくてもきわめて大きな利益を得る可能性があるなら、推奨されていない医療行為を受ける自由だって

    「宝くじの誤り」 - NATROMのブログ
    TakayukiN627
    TakayukiN627 2023/07/01
    甲状腺がんについては検診による早期発見から利益が得られることは示されていない。
  • 患者家族とのトラブル - NATROMのブログ

    埼玉県ふじみ野市において、訪問診療をしていた医師が患者の息子に散弾銃で撃たれ死亡するという事件が起きた。患者である母親が亡くなったことがきっかけになったという。事件については報道でしか存じ上げないし、これから新事実が出てくるかもしれない。この記事は、医療職と患者家族の関係の難しさの一端について知ってもらうのが目的であって、個別の事件において真相はこうだったのかもしれないといった推測ではない。 また、以下に述べる事例は、私の見聞きした経験をもとに改変したものであり、事実そのままではない。仮に当事者が目にしたとしてそれが自分たちのことであるとはわからないようにまで変えてある。ただし、問題の質については伝わるはずだ。ご理解をいただきたい。 患者さんがよいケアを受け、病状が改善することをご家族が願うのは当然だ。ただ、その願いがきわめて強い患者家族がいらっしゃる。介護のためにご家族が仕事を辞め、ず

    患者家族とのトラブル - NATROMのブログ
  • 新型コロナに対するイベルメクチンのケースシリーズを発表してほしい - NATROMのブログ

    イベルメクチンに対する「熱狂」 一部の界隈で新型コロナウイルス感染症に対する抗寄生虫薬「イベルメクチン」への期待が高まっている。熱狂的であるとすら言える。「海外ではイベルメクチンが大きな成果を上げているのに日で使用が制限されているのはけしからん」といった具合だ。反ワクチンや陰謀論(「安価なイベルメクチンで新型コロナが予防・治療できるとワクチンをはじめとした高価な薬が売れないので巨大な利権が妨害しているんだよ!!」)とつながっていることもあり危惧を覚える。 現時点ではイベルメクチンが新型コロナに効くことを示す良質な証拠はない。日だけではなく、海外でも主な公的機関は臨床試験以外でのイベルメクチンの使用を推奨していないが、ごく当然のことである。「ワクチンは受け入れられたのに実績のあるイベルメクチンが受け入れらないのは不公平」という類の反論もあるが、イベルメクチンの偉大な実績は寄生虫疾患に対す

    新型コロナに対するイベルメクチンのケースシリーズを発表してほしい - NATROMのブログ
  • イソジンうがいで新型コロナの重症化予防という話はどうなったか追いかけてみた - NATROMのブログ

    2020年8月の会見「うそみたいな当の話」 新型コロナウイルス感染症の第四波の真っ最中で、とくに大阪府は厳しい状況だ。大阪と言えば、昨年2020年8月に大阪府吉村洋文知事が会見で「うそみたいな当の話をさせていただきたい。ポビドンヨードを使ったうがい薬、目の前に複数種類ありますが、このうがい薬を使って、うがいをすることでコロナの陽性者が減っていく」と述べた。また、接待を伴う飲店の従業員や医療介護者・介護従事者などに「ポビドンヨードうがい薬によるうがいを励行」を勧めた*1。ポビドンヨードを使ったうがい薬の代表的な商品がイソジンうがい薬である。会見はテレビで放送され、うがい薬の売り切れが続出したという。 ポビドンヨードに新型コロナウイルスを不活化する作用があるのは事実だ。ただ、それは試験管内、実験室内の話で、実地臨床の場において感染予防効果や重症化予防効果があるかどうかは別問題である。

    イソジンうがいで新型コロナの重症化予防という話はどうなったか追いかけてみた - NATROMのブログ
    TakayukiN627
    TakayukiN627 2021/04/26
    重症化抑制を検証するんじゃなかったのかよ!
  • ワクチンを接種しない人を批判してはいけない - NATROMのブログ

    新型コロナウイルスワクチンが、日でも今年の2月から順次接種される予定だ。発症予防と重症化予防の効果は確かで、短期的な安全性も海外で数万人単位の臨床試験および千万人単位での実地での接種が済んでおりほぼ確認されている。重篤な副作用はあるが頻度は十分に小さく、害より利益が上回るのは明確だと私は判断し、順番が来た時点ですみやかに接種を受けるつもりである。 しかしながら、他者への感染予防効果については、効果は示唆されるものの、現時点では確実とは言えない*1。また、当然のことであるが1年以上を単位とした長期的な副作用の有無はまだわからない。ワクチンを接種するのをためらい、保留する人がいるのは当然のことだ。あるいは、どんなにまれであっても重篤な副作用が起きる可能性があるワクチンを接種したくない人もいるであろう。 どのような医療を受けるかを決める権利は人にある*2。もちろん、ワクチンについてもそうだ。

    ワクチンを接種しない人を批判してはいけない - NATROMのブログ
    TakayukiN627
    TakayukiN627 2021/01/30
    しばしば「反ワクチン」側は、不安を煽るデマに対する批判を「被害者」に対する批判にすり替える。
  • 「論座」の新型コロナ感染症の記事から学べること - NATROMのブログ

    「論座」に新型コロナウイルス感染症を疑う症状を経験したジャーナリスト、佐藤章氏による記事が掲載された。患者さんの視点で気持ちの推移やPCR検査の経験を伝える良い記事である。 ■私はこうしてコロナの抗体を獲得した《前編》保健所は私に言った。「いくら言っても無駄ですよ」 - 佐藤章|論座 - 朝日新聞社の言論サイト ■私はこうしてコロナの抗体を獲得した《後編》PCR検査の意外な結果、そして… - 佐藤章|論座 - 朝日新聞社の言論サイト ただ、医学が専門ではない方が書いたため仕方のないこととは言え、いくつか医学的な誤りが散見される。誤解が広まると感染防御の点から弊害が生じることが懸念されるため、ここで指摘しておく。 症状出現から1回目の抗体検査まで ことの経過は3月29日の深夜12時前に38度の発熱から始まる。適切に家庭内隔離が行われた後、2日間は37度5分前後と微熱が続き、4月1日には平熱と

    「論座」の新型コロナ感染症の記事から学べること - NATROMのブログ
    TakayukiN627
    TakayukiN627 2020/04/25
    新型コロナウイルス感染症において抗体の意義はまだ不明である。
  • 布マスクはないよりマシなのか? - NATROMのブログ

    ■「子供のマスクは手作りを」 学校再開に向け文科省が呼びかけ - 毎日新聞という記事が出ていた。文部科学省が手作りマスクの普及を呼びかけたという。ただ、布マスクが新型コロナ感染症の予防に役立つかどうかは、微妙なところである。現時点では明確な結論は出せない。このエントリーでは、布マスクの感染予防効果を論じた研究、および現時点におけるWHOとCDCの見解を紹介し、その上で、私の個人的な見解を述べる。 布マスクの感染予防の研究、WHOとCDCの勧告 医療機関で働く医療従事者は、自らが感染することを予防するためにマスクを使用する。通常は、使い捨ての医療用マスクを使用するが、布製のマスクで代用可能かを検証したクラスターランダム化比較試験が行われた*1。論文によると布マスクについて行われた最初のランダム化比較試験で、私が調べた範囲内では布マスクの臨床における感染予防を評価した唯一のランダム化比較試験で

    布マスクはないよりマシなのか? - NATROMのブログ
  • もし家族が肺炎になったら新型コロナの検査を要求するか? - NATROMのブログ

    COVID-19(いわゆる新型コロナウイルス感染症)症例が福岡でも出ました。私の外来にも「新型コロナが心配」という患者さんがぼつぼつ受診しています。幸い、私の外来ではいまのところはどなたも肺炎にはなっておらず、現時点では検査は不要だとご説明し、ご納得を得られています。 たまに誤解している人もいらっしゃいますが、現在(2020年2月22日)では新型コロナの検査に、中国への渡航歴や感染者への接触歴は必須条件ではありません。そうした条件を満たしていなくても、入院を要する肺炎や医師が総合的に判断し新型コロナ感染症を疑う場合など、「昨今の国内外の発生状況を踏まえ、これらの地域に限定されることなく、医師が新型コロナウイルス感染症を疑う場合に、各自治体と相談の上で検査することになります」*1。 ネットでは「検査をしてくれない。要求しても断られる」という声を聞きます。自分や家族が病気のときに望む検査をして

    もし家族が肺炎になったら新型コロナの検査を要求するか? - NATROMのブログ
  • 検診で乳がんが発見された人が100人いたとして - NATROMのブログ

    問題。 検診で乳がんが発見された人が100人いたとします。この100人の中で、がん検診のおかげで乳がんで死なずに済んだ人は、何人ぐらいでしょうか? がん検診を行えば何かしら治療を要するがんが見つかる。しかし、がんを発見できること自体は、がん検診が有効であることを意味しない。「手術を要するがんが見つかってよかったのではないでしょうか」に代表されるような、がん検診に関する誤解はなかなか解けない。 マンモグラフィーによる乳がん検診は有効性が証明された数少ないがん検診の一つだが、その乳がん検診の大まかな効果の大きさを理解することで、がん検診一般についての理解も進むのではないか。そういうわけで冒頭のクイズである。もちろん、検診の対象者や乳がんの診断・治療法によってこの答えは変わってくるが、だいたい、大雑把にどれぐらいなのかを推測していただきたい。 現在の日人のデータがあればいいのだが、残念ながら正

    検診で乳がんが発見された人が100人いたとして - NATROMのブログ
  • 医師国家試験を解いてみよう。「がん検診の有効性を示す根拠はどれ? - NATROMの日記

    がん検診にまつわる誤解は根深く、医師でもけっこう間違えている人がいます。ただ、医師国家試験にがん検診が有効である根拠を問う問題が出題され、若い世代の医師はがん検診の疫学をより正確に理解しているものと思われます。 厚生労働省のサイトに過去問がありましたので、ここで引用・紹介します。さて解けますか?このブログの読者は、その辺の平均的な医師と比べると、ずっと正答割合が高いのではないかと思います。 第106回医師国家試験問題より。 集団に対してある癌の検診を行った。 検診後に観察された変化の中で、検診が有効であったことを示す根拠はどれか。 a 検診で発見されたその癌の患者数の増加 b 検診で発見されたその癌の患者の生存率の上昇 c 集団全体におけるその癌の死亡率の低下 d 集団全体におけるその癌の罹患率の低下 e 検診に用いられた検査の陽性反応適中率の上昇 答えは下のほうに。 正解c. 検診後に集

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  • コメント欄 - 他人にアレルギー症状を起こさせる疾患「PATM(パトム)」は実在するか? - NATROMの日記

    PATM(パトム)についての医学論文はほとんど存在しない 「PATM(パトム, People Allergic To Me)」と呼ばれる病気がある。人には必ずしも症状はないが周囲の人に咳、くしゃみ、鼻水といったアレルギー症状を起こさせるとされる。典型的には、自分が電車に乗ったり教室に入ったとたんに周囲の人が咳き込んだり、マスクをつけたり、鼻をすすったりする。 私がPATMを知ったきっかけは、PATMを取り上げたテレビ番組について意見を求められたことだった。Google検索ではPATMの診療を行っている日の医療機関が見つかった。もちろん保険診療ではなく自費診療だ。PATM以外に「遅延型フードアレルギー」「副腎疲労」「リーキーガット症候群」といった医学的に確立されていない疾患概念に対し、やはり医学的に有用性が明確でない検査を行い、サプリメント等の有用性が証明されていない治療を行っている。

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  • 「子宮頸がんで人は殆ど死なない」のか? - NATROMのブログ

    喫煙の害を過小評価しようとしているのか、「肺がんで死ぬのは10万人に80人、約0.08%である。タバコが肺がん死を数倍増やすとしてもたかがしれている」といった主張を散見する。10万人に80人というのはおそらく、日人男性の肺がん粗死亡率からきている。つまり日人男性10万人につき年間で約80人が肺がんで死亡している。 0.08%を大したことがない数字だと思われるか。しかし、肺がんは日の部位別がん死亡の第一位である。1995年ごろに胃がんを抜きトップに躍り出た。肺がん死がたいしたことがないなら、他の病気もおおむね大したことがないことになってしまう。 ポイントは、死亡率の分母は日人男性全体で、死亡する確率が小さい若年者まで含めた数字であることと、そして何より、一年間あたりの数字であることだ。一生涯ならもっと数字は高くなり、日人男性100人のうち肺がんで死亡するのは約6人、つまり日人男性

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  • インフルエンザで「早めの受診」が必要なのはどんな人? - NATROMのブログ

    インフルエンザが大流行である。Yahoo!ニュースに■インフルエンザで「早めの受診」は間違いです! (新潮社 フォーサイト)という記事が載った。コメント欄やブックマークは賛否両論だ。 読んでみたところ、いいことも書いてあれば、首肯できないことも書いてある。持病などがない健康な成人がインフルエンザに罹っても軽症なら「早めの受診」が不要であるのは(医学的には)事実である。リンク先の記事では、あたかも「軽症患者が集中したら医療機関がパンクするから我慢しろ」と言っているかのように読めるが、医療機関の都合とは無関係に、個人レベルの利得のみを考えてもインフルエンザ流行期における軽症患者の受診はお勧めできない。 ほとんどの場合、インフルエンザは薬を使わなくても自然に治る。抗インフルエンザ薬は症状緩和までの時間を約1日間早める効果があるので、症状がとてもつらい人は薬から得られる利益もあるが、それほどでもな

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  • 乳がん検診の利益とリスクを図で説明してみる - NATROMのブログ

    がん検診には利益と不利益がある。利益は早期発見・早期治療によって、がんによる死亡や進行が減ることである。不利益は偽陽性や過剰診断などである*1。偽陽性は、実際にはがんではないのに「がんの疑いがある」と診断されることで、過剰診断は、将来死亡や症状を引き起こさないがんを診断されることである。偽陽性と過剰診断は異なる概念である。詳しくは■「過剰診断」とは何かで解説した。 偽陽性は、精密検査でがんでないと診断されるので、がんの治療まではなされない。しかしながら、余分な検査や精神的な不安を招く。過剰診断は、たいていはがんの治療を受けることになるので、不利益はさらに大きい。 あらゆる医療と同じく、がん検診を受けるべきかは、利益と不利益のバランスによって決まる。個人の価値観や個人的なリスク(家族歴など)にも左右されるが、平均的なリスクを持つ人たちに対するがん検診については、公的機関がガイドラインを発表し

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  • 過剰診断と「がんもどき」の違い - NATROMのブログ

    甲状腺がん検診についての議論を見ていると、過剰診断と近藤誠氏が提唱する「がんもどき」の区別がつきにくいようである。たしかに過剰診断と「がんもどき」は似ている。しかしながら、その背景の考え方は大きく異なる。違いを表にまとめてみた。 標準的な見解と「がんもどき理論」の違い 赤枠が標準的な見解と「がんもどき理論」との決定的な違いである。「がんもどき」部分と「物のがん」部分が似ているがゆえに間違いやすい*1。 近藤誠氏によれば、すべてのがんは、放置しても転移しない「がんもどき」と、発見したときに既に転移している「物のがん」のどちらかに属する。一方で、標準的な見解では、過剰診断と、発見時に治療介入しても予後が改善しないがん以外に、発見して転移・進行する前に治療介入すれば予後が改善するがんも存在すると考える*2。そのようながんを効率よく発見できる方法がある種類のがんが、がん検診が有効ながんである。

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  • オーリングテストが明らかにした身体に悪いものリスト - NATROMのブログ

    オーリングテスト(バイ・ディジタルO−リングテスト)をご存知だろうか。親指と人差し指をくっつけて"O"の形にし、その筋力の強弱で診断や薬の選択を行う謎の技術である。「日バイ・ディジタル オーリングテスト協会」のページ*1から引用しよう。 バイ・ディジタルO−リングテスト(BDORT)とは、筋の緊張(トーヌス)を利用して生体情報を感知する検査手技 である。BDORTはニューヨーク在住の日人医師大村恵昭博士が1977年頃くらいに考案した方法で、最初の論文が発表されたのが1981年で ある。 「生体そのものが極めて敏感なセンサーで、毒物を近づけたり、体に合わない薬剤を手に持たせたりすると、筋の緊張は低下し、逆に有効な薬剤では緊張が良好に保たれる」という原理に基づいている。 大村教授は、脳の血液循環と握力の関係を研究する過程でBDORTのヒントを発見した。高校生を対象に行われた実験により、脳の

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    TakayukiN627
    TakayukiN627 2017/10/10
    原理は「こっくりさん」と同じと思われる。「確認された」「明らかとなった」とあるが、科学的に認められているわけではなく、支持者たちが勝手に言っている状況である。
  • 二重盲検法でオーリングテストの効果を実証したと称する「文献」を読んでみた - NATROMのブログ

    オーリングテストはもはや由緒正しいニセ科学と言っていいだろう。指をアルファベットの"O"の字にして指が離れるのに抵抗する力から、薬を選んだり、病気を診断したりできると主張されている。詳細は■『謎解き超科学』のナカイサヤカさんの『「オーリングテスト」とはなにか?【筋肉の反応でなんでもわかる診断法】』の章か、拙著■『「ニセ医学」に騙されないために』の「オーリングテストは科学的? 」の章を参照していただきたい。 オーリングテストが機能することを証明するには二重盲検法による検証が必要である。たとえば、すでに対象となる患者の胃が悪いことを試験者が知っている場合、意図的にあるいは無意識に、胃を指したときに指が離れるようにしてしまうかもしれない。あるいは被験者が知らなくても患者の反応を読み取れば同じことが起こりうる。意図的/無意識に筋肉を動かすことによって、超能力のように未知の情報がわかるように見えてし

    二重盲検法でオーリングテストの効果を実証したと称する「文献」を読んでみた - NATROMのブログ
    TakayukiN627
    TakayukiN627 2017/10/10
    インチキ検査で「異常」が出なくなる治療とセットになっていることが多い
  • 乳がん術後の「抗がん剤ストップ」のリスクはどれぐらい? - NATROMのブログ

    女優の南果歩さんが、ステージIの乳がんの手術および放射線治療後の抗がん剤をストップしていることを明かしたという報道があった。 ■南果歩「見にして」抗がん剤ストップ中と明かす (日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース 南はステージ1の乳がんと診断され、昨年の3月11日に手術を受けた。転移はなく、現在までに再発の兆候もないという。 現状について聞かれると「今、ハーセプチンという抗がん治療をストップしています。抗女性ホルモン剤の投薬もストップしています。これは俗に言う、代替治療に切り替えたということです」と打ち明けた。続けて「私のやり方はひとつの症例であって、皆様に当てはまるものではないかもしれません。こういう考え、治療法があるんだと、表に出る仕事をしているので、分かりやすい見になると思うんです」と、現状を明かした理由について語った。 ハーセプチン(一般名:トラスツズマブ)は、HER2と呼

    乳がん術後の「抗がん剤ストップ」のリスクはどれぐらい? - NATROMのブログ
    TakayukiN627
    TakayukiN627 2017/10/03
    がん手術後の抗がん剤のメリットやリスクは人それぞれである。薬を飲むのを好まない人もいるだろうし、がんの再発リスクが減るなら多少の副作用は我慢できるという人もいるであろう。それは個別に対応するべきである