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ブックマーク / www.anlyznews.com (58)

  • 原作とかけ離れた内容の映像化作品の責任は、原作者の皆さんにもあるよ

    かなりの数のマンガや小説の映像化、特に実写化作品が、原作とかけ離れた作品になっていて、愛読者を幻滅させるだけではなく、原作者も商売と割り切れない人々をうんざりさせることになっている*1*2。原作では複雑な結び目を器用にほどくような解決策が、映像化では考えなしに結び目を切るようなことになっていたりと、原作の世界観をブチ壊しているものが少なくない。 『セクシー田中さん』の実写化をめぐる軋轢が顕在化したことにより注目されることになったこの劣化映像化問題は、一義的には製作者の責任である。映画やドラマの制作をとりまく環境がそうさせている面もあるのだが、原作ファンにも高く評価される作品と、強く非難される作品があるわけで、製作者の情熱や力量の問題は大きい。つまらない原作を面白くしていると豪語するなど、非難されている映像化作品の脚家が傲慢さを隠さない面もあり、自省もなさそうだ。しかし、原作者には法的に強

    原作とかけ離れた内容の映像化作品の責任は、原作者の皆さんにもあるよ
    a1ot
    a1ot 2024/03/13
    “原作者が脚本を了承してから映像化を許諾する慣習ができれば、原作者の代理人の出版社も原作者が拒絶しそうな脚本は弾くようになるし、原作をよく読まない脚本家はマンガや小説の映像化から排除される”
  • ジェンダー平等とジェンダーフリーは異なる概念だし、ジェンダーフリーの方は利用非推奨でして

    a1ot
    a1ot 2024/03/13
    “ジェンダー・フリー、1995年頃から使われはじめた和製英語、男女平等に替わって用いられたジェンダー平等とは別概念。2006年に男女共同参画担当課が、意味不明なので使うなと都道府県と政令指定都市に通達を行った”
  • 偉い人にぜひ読んで欲しい『測りすぎ—なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』

    人事にしろ投資にしろパフォーマンスは評価せざるをえないし、客観的に見える測定基準の指標に頼ってしまうのが世の常だ。しかし、往々にして指標をつくるためには時間も労力がかかるし、指標を報酬や罰則に連動させると評価される方は組織の目標と乖離した結果になっても指標にあわせて行動を最適化しだす傾向がある。 『測りすぎ—なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』は、経済学者でもなく社会学者でもなく何故か歴史家がこういうあるある失敗メカニズムについてまとめて総括したになる。売り文句通り、パフォーマンス評価の基準をつくる経営者や管理職、行政の偉い人々は一読する価値があると言うか、3回ぐらい読み返して欲しい。 書は、測定の誤った運用になるパフォーマンス評価がなぜ横行しだしたのか、それがどのような理屈でどのような弊害を引き起こすのか、実際にどのような弊害が生じたのかを説いた上で、測定基準の導入で失敗しないよ

    偉い人にぜひ読んで欲しい『測りすぎ—なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』
  • ネット論客が用いがちな19の詭弁

    COVID-19 (39) MMT (12) ゲーム (7) ジェンダー (158) ソフトウェア (98) デザイン (16) 医療 (129) 医療,批評 (1) 英語 (23) 科学 (164) 確率・統計 (144) 環境問題 (136) 企業 (71) 記事整理 (5) 技術 (254) 金融 (263) 軍事 (92) 携帯電話 (94) 芸術 (11) 広告 (30) 航空 (109) 災害 (18) 財政問題 (71) 資源 (72) 事故 (31) 写真 (16) 社会 (551) 書評 (220) 冗談 (39) 数学 (45) 政治 (397) 中国 (32) 朝鮮半島 (60) 動画 (135) 犯罪 (64) 批評 (870) 表現規制 (74) 歴史 (83) 労働問題 (91) ネット界隈での議論では、誤謬推理と言うか詭弁を弄する輩は多い。素人談義だから仕方が

    ネット論客が用いがちな19の詭弁
  • リフレ派の「(もう大して)経済成長しない」への反応にある誤謬

    社会福祉士で社会運動家の藤田孝典氏が、過去データから「(もう大して)経済成長しない」と言ったのに*1、リフレ派の皆さんが色々と文句をつけている。経済成長の余地が小さいので、低成長を前提に政策を考えましょうと言うのが、なかなかリフレ派には受け入れ難いようだ。「経済成長をしなければ皆が貧しく不幸になる」と言うような批判している。しかし、これはひどい誤読である。 1. 経済成長率≠生活水準 具体的には「今の我々の生活は経済成長の賜物だ。経済成長がなければ、教育や娯楽もなく、疫病や災害で大量死し、職業も住む場所も服すら選べず、飢え死にや人身売買が当たり前になる」と非難しているジャーナリストがいたのだが、最初の文はともかく、続く文は論理的におかしい。経済成長は差分だ。経済成長によって生活が豊かになるのはそうであるが、経済成長が無くてもマイナス成長でなければ生活水準は下がらない。 2. 経済成長しない

    リフレ派の「(もう大して)経済成長しない」への反応にある誤謬
  • 貯蓄で国債はファイナンスされていないと言うMMT信者の議論の問題点

    非主流派経済学と言えばマルクス経済学を想像する人が多いと思うが、最近はMMT:Modern Monetary Theoryと言うものが出てきた。数理モデルや計量分析に頼らず、文化人類学の知見を断片的に取り入れて教条的な議論を展開しているようなのだが*1、その信奉者が民間貯蓄で国債はファイナンスされていないので、民間貯蓄が少なくなっても財政破綻しないと言い出している。高齢化で貯蓄が減少して国債消化が不可能になると言うマクロ経済学者の警鐘に納得がいかないらしい。名目上は破綻しないのはそうであろうが、高インフレを招く理屈はあるので、その論理を整理してみよう。 1. ストックの貯蓄がゼロでも国債は市中消化しうる まず、MMT信者の発想を整理したい。x円の政府支出とx円の国債発行を行なったときのマネタリーベースの推移だけを見ると、国債発行が貯蓄を増やすように思えてくるので、民間貯蓄が少なくなっても財

    貯蓄で国債はファイナンスされていないと言うMMT信者の議論の問題点
  • 世界はデフレでも成長している

    国際決済銀行(BIS)のペーパーで、歴史的には世界はデフレでも成長している事を説明しているモノ*1が流れていたのだが、この世の問題を全てデフレに帰着しがちな人に読ませたいものとなっていた。1870年から2013年までの38の国と地域を対象にした分析を行い、大恐慌を除けば消費者物価の下落は経済成長に影響を与えているのか怪しい一方、資産価格の下落は影響を与えていると言えるそうだ。このペーパーを読む限り、そう頑張って脱デフレをする必要は無さそうである。 分析期間全体で単回帰分析をすると消費者物価と経済成長率に相関が無いわけではないのだが、大恐慌のある期間を除くか、資産価格も加えて重回帰分析をすると、消費者物価と経済成長率の関係い有意性は観察されなくなる。ボラティリティから見て粘性デフレ期だけを取り出しても、傾向は変わらない(右上図)。テクニカルには物価が経済成長率に与える影響と、経済成長率が物価

    世界はデフレでも成長している
  • FTPLでは量的緩和の効果は否定されている

    ネット界隈のリフレ派で、FTPLとリフレーション政策の中核である量的緩和が親和的だと言い出している人がいる。FTPLを使ってインフレ誘導ができると聞いて、インフレ誘導策であるはずの量的緩和と方向が同じと発想したのだと思うのだが、FTPLの代表的論文にある数式を確認すると、そこでは量的緩和の効果は否定されている。 最近のFTPL伝道師、ノーベル賞受賞経済学者のシムズ教授が参照しているWoodford(1995)*1の(1.2)式と(1.9)式を見てみよう*2。 一般向けの紹介だと、Wが国債のように説明されるので貨幣が入っていないように思うのであろうが、実は政府純負債で貨幣と債券の合算値になっている。ここに貨幣が入って来ないと、政府は物価上昇なく貨幣発行だけで財政を永久に賄えてしまうのだ。河越・広瀬(2003)の説明では、(モデル上、政府負債と一致する)家計保有資産として、誤解が少ないように表

    FTPLでは量的緩和の効果は否定されている
    a1ot
    a1ot 2017/02/16
    “巧妙な手段で量的緩和が無効と演繹されたと言うよりは、モデルの仮定からそのまま言える範囲のこと”
  • 優生学と言うよりは優生思想だから、疑似科学批判はできない

    偽科学批判をしている物理学者が優生学を批判しないことに、ネット界隈の左派の人が何故か苛立ちを表明していた*1。これについて議論が多少されているのだが、優生学(Eugenics)は語尾に-icsがついているが自然科学に属する学問ではなく、優性思想と訳す方が適切なシロモノ*2なのが良く把握されていなくて残念な事になっている。優生学は思想なので、それ自体は偽科学批判の文脈では言及できない。科学と思想の区分けができないネット左翼*3の皆様には、上手く理解できないようなのだが*4。 優生学は検索すると、人間集団の遺伝的改良を目的とした信念や運動と出てくる*5。遺伝的改良の程度と方法は幾つかバリエーションがあって、先天的な障害者を出産することを抑制するための消極的なものから、知能や体格などの向上を図った積極的なものまである。最近は、遺伝的改良を目的としていない中絶などの肯定も、優生思想と批判される事が

    優生学と言うよりは優生思想だから、疑似科学批判はできない
    a1ot
    a1ot 2016/12/03
    “例えば遺伝子組み換え技術を受精卵に用いることで先天性の病気をなくす行為は、否定されるべきであろうか。社会正義に叶うか否か。優生思想の是非の焦点は人文科学の領域であって、自然科学の議論ではない”
  • 私は数式アレルギーの文系でして(ヘラヘラ

    数学ガール」で有名な文筆家の結城浩氏が『「私は数式アレルギーの文系でして」とへらへら笑う大人に耳を貸すな。』と言うエントリーをあげている。嗚呼、これ私のことだなと思った。難しい数式は読む気もないし、しっかり数学を学ぶ気は無い人で、ある意味、標準的な成人だ。数式を見ていると、息切れ動悸で苦しい。数式を見ていなくても、最近、そういう気がするが。さて、批判されている人々を勝手に代表して、返事を書いてみたい。 1. 数学を学ぶ機会は理文ともに限られる 「あなたはどんな意味でそれを言ってるの?」と言う問いがあるのだが、“文系”と言うところで難しい数学を使って説明されても理解するような学問的修練を積んでおらず、“数式アレルギー”で数学が出てくると強いストレスを感じる事を明言している。私に何かを理解させるとして、数学を使わないで済むのであれば、その方が望ましいと言うことだ。安息するために言っているわけ

    私は数式アレルギーの文系でして(ヘラヘラ
  • 消費増税反対派の妄想とは異なり、現実ではアイスランド政府はデフォルトしていない

    スウェーデンなど北欧の制度も良く誤解されている*1のだが、リーマン・ショック後のアイスランドも良く勘違いされている。例えば京都大学の藤井聡氏も「近年では、ギリシャやロシア、アルゼンチン、アイスランドなどが財政破綻しました」と書いていたし、最近は「2011年に政府債務を踏み倒したアイスランド」のような事を書いている人がいた。しかし、2008年から2011年のアイスランド金融危機でデフォルトしたのは市中銀行であって政府ではない。アイスランド政府はアイスランド市民以外の預金保護を行わなかった*2し、政府は各方面からの支援を受けてはいるが、その政府債務はデフォルトしていない。 ギリシャとアイスランドを対比するような言説は多いので、ギリシャ政府がデフォルトしたのだから、アイスランド政府もデフォルトしたと思い込むのであろう。『経済政策で人は死ぬか?』では、ギリシャは緊縮したがアイスランドはしていないと

    消費増税反対派の妄想とは異なり、現実ではアイスランド政府はデフォルトしていない
    a1ot
    a1ot 2016/05/18
    「2008年から2011年のアイスランド金融危機でデフォルトしたのは市中銀行。アイスランド政府はアイスランド市民以外の預金保護を行わなかったが、政府債務はデフォルトしていない
  • クローニー・キャピタリズムと言う用語は適切に使いましょう

    NPO法人代表・駒崎弘樹氏の「子育て支援の財源が消費税に紐づいているため、増税に賛成」と言う発言に対して、稲葉振一郎氏がクローニーキャピタリズムと批評したところ、その言い方は侮蔑表現でケシカランと濱口氏が怒っている。しかし態度云々以前に、この縁故資主義と言う言葉はもっと慎重に扱う必要がある。ある団体の代表者が、ある政策の支持や不支持を表明しても、全くクローニー・キャピタリズムにならないから。 もともとはアジア危機で注目された用語なのだが、主に政府権力者と企業の結託を批判する目的で使われてきた。フィリピンのマルコス政権が華人系企業を優遇していた事や、インドネシアのスハルト大統領の息子が大企業の重役になっていたりした事をイメージすればいい。また、上場企業などにおいて、企業統治が不透明で創業者家族の影響力が強く、外部投資家が企業経営から疎外されたり*1、縁故が無いと商談や就職や出世ができない事

    クローニー・キャピタリズムと言う用語は適切に使いましょう
    a1ot
    a1ot 2016/04/12
    「フィリピンのマルコス政権が華人系企業を優遇していた事や、インドネシアのスハルト大統領の息子が大企業の重役になっていたりした事をイメージすればいい
  • 財務省ガガガガ・・・と言いがちな人が読むべき本

    ネット界隈で財政健全化を嫌う人は、何かと財務省が諸悪の根源のように言いがちだ。政治家を何らかの方法で制御できるらしい。ここまで累積債務がたまっている時点で、財務省の持つ権力などたかが知れている気もしなくもないが、どうして支配力があるように思われているのか気になる所だ。財務省が政治にどう関わって来たかを説明するが無いものかと思っていたのだが、『財務省と政治 - 「最強官庁」の虚像と実像』と言うが出ていたので拝読してみた。週刊誌が好きそうな裏話になると思うのだが、その都度々の財政問題に対して個々の財務官僚や政治家がどう関わってきて、どのような結果になったかが年代を追って説明されている。メディアを通じて見聞きする名前に詳しくなれると言う意味で、財政学の教科書などとは一味違って新鮮に感じる。 さて、大蔵(2001年から財務)官僚は情報を握って離さないような批判が良くされているが、55年体制では

    財務省ガガガガ・・・と言いがちな人が読むべき本
    a1ot
    a1ot 2016/04/08
    「竹中平蔵氏は経産官僚よりも財務官僚を信用していた。55年体制が崩壊したぐらいから財務省の影響力は低下。90年代から財政赤字が蓄積していき、ここまで債務がたまっている時点で、財務省の持つ権力などたかが知れ
  • スティグリッツの言う事を聞いて、ガソリン価格を5割増しに出来るか?

    情報の経済学の開拓者の一人で様々な分野に大きな業績を残す、山ほど論文を書いているので見上げるだけでも骨が折れる経済学の巨人スティグリッツが日に来て、消費税率引き上げ延期を示唆したと話題になっている。安倍総理が増税延期を正統化するために呼んだのだと思うが、このノーベル賞経済学者は増税自体を否定しているわけではない。所得税、相続税の累進課税強化や、炭素税などの環境税を提唱している*1。 現行の枠組みで炭素税に近いものと言えば、石油石炭税やガソリン税などの石油関連諸税であろう。2015年度予算で、4兆3850億円ある*2。だいたい消費税が1%で2兆円の税収と言われるので、消費税率2%引き上げに相当する税収を得るには、1.91倍にする必要がある。ここ一週間ぐらいはレギュラー・ガソリン価格が100円ぐらいで、うちガソリン税は53.8円。税金以外が46.2円。46.2+53.8*1.91≒149.0

    スティグリッツの言う事を聞いて、ガソリン価格を5割増しに出来るか?
    a1ot
    a1ot 2016/03/21
    「スティグリッツ曰く、省エネ投資が促進される事になるわけだが、確かに二重窓にしたりする住宅が増えそうだ
  • 消費税率引き上げの消費抑制効果は言われているほどでは無い

    uncorrelated ソフトウェア・エンジニアJava JavaScript PostgreSQL Oracle 等を使っています。Oracle Certified Professional。Sun Certified Programmer。 詳細プロフィールを表示

    消費税率引き上げの消費抑制効果は言われているほどでは無い
    a1ot
    a1ot 2016/03/17
    円安は消費者と輸入企業等の富が輸出企業に移転。増税は民間部門の富が減るのではなく国内で回転。金利を下げ資産価格を上げる形で富裕層の富を増やしている。増税財源の再分配時に格差縮小となる歳出設計が必要
  • 軽減税率と給付付き税額控除に関し公明・山口代表が錯乱気味

    ► 2024 (12) ► 3月 (8) ► 2月 (3) ► 1月 (1) ► 2023 (71) ► 12月 (7) ► 11月 (2) ► 10月 (4) ► 9月 (10) ► 8月 (6) ► 7月 (6) ► 6月 (8) ► 5月 (5) ► 4月 (2) ► 3月 (6) ► 2月 (9) ► 1月 (6) ► 2022 (88) ► 12月 (3) ► 11月 (3) ► 10月 (7) ► 9月 (5) ► 8月 (9) ► 7月 (8) ► 6月 (9) ► 5月 (8) ► 4月 (8) ► 3月 (10) ► 2月 (11) ► 1月 (7) ► 2021 (64) ► 12月 (5) ► 11月 (6) ► 10月 (9) ► 9月 (4) ► 8月 (7) ► 7月 (10) ► 6月 (2) ► 5月 (3) ► 4月 (3) ► 3月 (6) ► 2月 (

    軽減税率と給付付き税額控除に関し公明・山口代表が錯乱気味
  • 民主・維新の給付付き税額控除に賛成して欲しい

    民主党と維新の党が軽減税率の対案として給付付き税額控除を出してきた*1。平均的家計の料品購入額にかかる消費税額の2割を一人あたりの税額控除額とするようだ。2015年の二人以上世帯の年間料品購入額は862,128円だから、これを平均世帯人数3.02で割って284,531円*2、さらに消費税率を10%として、だいたい5,691円/人の税額控除となる。なお、所得に応じて減額するように定めろとあるが、具体的なところは書いていない。 料品購入額の2%を給付するので、一見すると軽減税率と同じ財政負担で同じ効果に思えるが、給付額は消費額に比例しないので低所得者が有利になり、対象品目の線引きや複雑な事務手続きを省略する事ができ、さらに所得に応じて減額することで財政負担を抑制するものとなっている。年金生活者などへの給付方法を工夫する必要があると思うし、内閣府の外局として置かれる歳入庁が云々と必要が無さ

    民主・維新の給付付き税額控除に賛成して欲しい
  • 想定通り右往左往するインドネシアの高速鉄道計画

    中国案に決まったと思われていたインドネシアの高速鉄道計画(東洋経済)が、暗礁に乗り上げているようだ。最終的に二大主要都市であるジャカルタ-スラバヤ間を結ぶ計画で、まずはジャカルタ-バンドン間の路線を造るものだが、もともとは日が関わってきた*1のを、入札が停止された後に相対契約と言う不自然な形で中国国営企業が契約に漕ぎ着けた。こういう経緯からネット界隈では中国が悪いように言う人が多いようだが、インドネシア側にかなりの不備があるように思える。むしろ、インドネシア側の想定通りに右往左往しているのでは無いであろうか。 中国はインドネシア政府の財政負担が無いBTO方式を提案したと言われていたが、最近の報道では実質的な政府保証を求めてきているようだ(読売新聞)。中国側が嘘をついていたように思う人が多いようだが、決定段階でしっかり詰めていなかった事が分かる。認可の申請書の一部が中国語のままと言うのも、

    想定通り右往左往するインドネシアの高速鉄道計画
  • マイケル・サンデルの経済学批判

    ではNHKテレビ番組「ハーバード白熱教室」で有名になったマイケル・サンデル教授は、経済学批判に熱心なコミュタリアンとして知られている。単に批判的と言うわけではなくて、経済学者の目に付く所で堂々と批判している人で、経済学の学術雑誌にも寄稿している強者だ*1。著作を読む気力は沸かないのだが、それが短い論文だったので読んでみた。 主張はそう難しくない。経済学者が使う厚生基準に問題があるので、その再考が必要だと言うものだ。経済学者は財やサービスを何でも取引可能にしたがるが、それが人々の財やサービスに対する態度を変化させ、人々が道徳的では無くなる事がある。また、道徳的な態度をとることで不効用が増していく*2と考えているが、道徳は実践する事で板につくので不効用が増すとは限らない。経済学者は、この二つを見逃している。 この主張、共同体主義について知らないと、面らうかも知れない。古くはアリストテレ

    マイケル・サンデルの経済学批判
  • 自分で考えすぎた人の話――カント哲学入門

    哲学の世界には分野外の人にも知名度はとても高いが、その主張がほとんど知られていない偉人は多い。その代表を選ぶとしたら、やはりカントであろう。功利主義であればその主張の断片を、それが誤解されたものでも耳に挟むこともあるわけだが、カントを濫用する人は少ないと思う。それが帰結主義と対になる義務論の原典みたいなものであってもだ。難しすぎて誤解もできない。そんな途方に暮れた一般人のための、カント概説書が出ていた。『自分で考える勇気――カント哲学入門』だ。 岩波ジュニア新書なので中学生向きだが、カントに関する知識が小学生よりもあると自信を持って言える人はほとんどいないであろう。分野外から見れば、難易度は低ければ低いほど良い。しかし著者の御子柴善之氏は、間違いなくドイツ思想史のプロパー、カントの専門家で、内容が誤魔化されている可能性も低い。岩波ジュニア新書の編集方針から考えても、書の品質は極めて高い部

    自分で考えすぎた人の話――カント哲学入門
    a1ot
    a1ot 2016/01/03
    「カントが生涯をかけて挑戦したのは、道徳の構成