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ブックマーク / agora-web.jp (16)

  • 安倍晋三氏と統一教会の関係についての誤解

    安倍晋三氏の射殺事件は、いろいろな憶測を呼んでいる。第一報を聞いて私も次のような動画を収録したが、このときは未確認だった事実が明らかになってきた。 この事件政治的テロではない まず奈良県警の発表でも明らかなのは、安倍氏を射殺した山上徹也が「安倍氏の政治的信条が理由ではない」とか「宗教団体の幹部をねらったが失敗したので安倍氏をねらった」などと供述していることだ。 ところがマスコミは「暴力で言論を圧殺することは民主主義への挑戦だ」といった話を繰り返している。それ自体は正しいが、犯人が安倍氏の政治的信条を圧殺するつもりではなかったと言っているのだから、件とは無関係である。 では何が動機なのか。この点では各社の報道がまちまちだが、「宗教団体への恨み」が原因だという点は一致している。この宗教団体は、週刊誌は名前を出し始めたが、統一教会(世界平和統一家庭連合)である。 これについて犯人は「安倍氏が

    安倍晋三氏と統一教会の関係についての誤解
  • 歴史学者はいかに過去を捏造するのか:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える⑩

    IT・メディアconcept you are not you how others see you how you see yourself 私はポストドクターを入れると大学院に5年半在籍し、続けて地方公立大学の准教授として7年半教鞭をとったので、通算すれば13年間は「歴史学者」として仕事をしたことになる。その最中から歴史学の教育にまつわる営みが、ひとつ間違えば危険なものにも転じうる可能性をずっと感じていた。 たとえば一般の読者が選びのヒントにするのは、帯や惹句、あとがきや解説だと思うが、歴史学者は手にとった書籍のうち、最初に「注」を見る癖を持つ人が多い。主張の典拠として一次史料を引用した場合、(専門書では)出典表示のために必ず注をつけるので、まずはざっと注だけを一覧すれば、そのがどの程度「オリジナルな研究か」をつかめるからだ。 しかしこれを悪用すると、中身もないのにとにかく注ばかりを

    歴史学者はいかに過去を捏造するのか:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える⑩
  • 呉座勇一氏のオープンレター問題再炎上: お粗末なこの問題、悪しきキャンセルカルチャーを許すな

    呉座勇一氏に対する「オープンレター」に関して、署名した記憶がない人たちが、署名に名前を書かれていたということが明らかになりました。さらに、北村紗衣氏から「オープンレター」の経緯を批判する人たちの「職場」へ、内容証明郵便が送られていたことも分かりました。 そもそも名前を載せた記憶がないという人が出てきました。 今ツイッター上で話題のオープンレターに私の名前も載っていたのか。全く記憶にないのだけど。 https://t.co/dZLNkYjJYz — 高野秀行 (@daruma1021) January 19, 2022 【重要声明】私は呉座勇一氏を巡るオープンレターについて、「賛同人に私の名前がある」と昨年末ごろ辻田真佐憲氏より連絡を受けました。私が賛同人を受諾した事実も、呉座氏との面識もありません。マネージャーにも照会した結果、承諾の事実はありません。第三者による無断使用なら厳にお控え下さ

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  • オープンレターを書いたのは「誰」なのか:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える⑨

    IT・メディアMagnifying glass on books with background of bookshelf 連載のなかでも11月27日朝に公開した前回(第8回)はとみに反響が大きく、4月4日に出された呉座勇一氏(国際日文化研究センター。以下、日文研)の炎上をめぐるオープンレターについて、その当否を問う論争が再び盛んになったようだ。もっとも議論の質には高低があり、たとえばレターの呼びかけ人であった津田大介氏は同日夕のツイートでこう述べている。 拙稿のタイトルは「オープンレターがリンチになった日」なので、津田氏のいう「「リンチ」とか雑に言うような認識の人」とは私を指す(少なくとも含む)ように思うが、それなら堂々とリンクを張って是非の判断を読者に委ねてはどうだろうか。対立する相手の文章はフォロワーに読ませず、「あいつは無視していい人間だ」(大意)とのレッテルを貼って存在自体を

    オープンレターを書いたのは「誰」なのか:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える⑨
  • 八幡氏への反論:歴史学者のトンデモ本への向き合い方

    『週刊ポスト』2019年3月15日号に掲載された歴史小説家・井沢元彦氏の『逆説の日史』(以下『逆説』と略す)第1218回は、「井沢仮説を「奇説」「歴史ファンタジー」と侮辱する歴史学者・呉座勇一氏に問う」というものだった。私が朝日新聞に連載中のコラムなどで展開した井沢氏の著作に対する批判に、氏が反論したものである。 この問題について評論家の八幡和郎氏がアゴラ上で論評を加えている。 「週刊ポスト」で井沢元彦氏が呉座氏に公開質問状 井沢氏の公開質問状に対しては『週刊ポスト』誌上で回答する予定であり、それを読んでいただければ私の真意は八幡氏にも伝わると思うが、事前に一点だけお伝えしておきたい。 具体的な批判を控えている理由 八幡氏は前掲記事で 売れたからといって著作態度が安直だとか、監修という言葉が普通と違うとか、井沢氏の著作は学者から見て価値がないとかいう姿勢論でなく、百田氏の書いていることの

    八幡氏への反論:歴史学者のトンデモ本への向き合い方
  • 八幡氏への忠告① 評論家に歴史研究はできない

    私が前回アゴラに投稿した『在野の歴史研究家に望むこと』に対して評論家の八幡和郎氏から反論をいただいた。 呉座氏は百田・井沢氏より大胆な飛躍がお好き 相変わらず冗長な文章で、まともに取り合っても意味がないと最初は思った。だが研究とはどのような営為か、歴史学とはどういう学問かを説明するのに格好の素材だと思うので、私の考えを少し述べておきたい。 「在野」という言葉の意味 さて八幡氏は 「在野」などというのは、当事者が謙遜していうとか、反抗精神をポジティブにとらえて第三者が言う言葉であって、象牙の塔の住人が自分たちの仲間でない人たちを見下すように使うのは失礼だろう。 と批判する。「象牙の塔」こそが(現代では)侮辱語だと思うが、ともあれ、私は「学界に属さない研究者」という意味合いで用いている。この用語に問題があるのは事実で、たとえば歴史学の専門的な訓練を受けているが大学に職を得ていない人をどう捉える

    八幡氏への忠告① 評論家に歴史研究はできない
  • 八幡氏への忠告② 人生経験は歴史研究に益するか

    八幡氏は 呉座さんが分かってないと思うのは、自分が文献資料の分析だけのプロだということだ。だから、資料の発見とか整理や評価はプロのはずだが、解釈能力があるかどうかは別だ。解釈は森羅万象についての知識、推理能力、人生経験などがものをいうから、文献史家がプロとしての優位性をもっているとは言い切れない と述べる。 こういう誤解をしている歴史愛好家は非常に多い。私が大学院生の頃、定年退職して大学の聴講生として日史学研究室に出入りしている方がいた。その人は「歴史なんてものは若い人には分からない。人生経験を積んでこそ分かるのだ」と主張されていた。だがもちろん、大学院生の方がその方より史料が読めるし知識もあるので、みんなで色々と指導するのだが、自分の息子や娘より年下の若造たちに指図されるのが癪に障ったようで、そのうち姿を見せなくなった。 当時の私は「困ったお年寄りだな」と思っていた。けれども今にして思

    八幡氏への忠告② 人生経験は歴史研究に益するか
  • 在野の歴史研究家に望むこと

    週刊ポスト(3月15日号)誌上での井沢元彦氏の公開質問状に対して、私が今週発売の29日号で反論した。これに対して評論家の八幡和郎氏がまたまた感想をアゴラに寄せている。 呉座 VS 井沢:歴史学者だけが歴史家なのか? 上記記事で八幡氏は私の反論文について「素晴らしい出来である」と述べている。お褒めいただいて恐縮だが、八幡氏は以前にアゴラ上で発表した記事で そして、井沢氏は「安土宗論八百長説」、つまり、信長の前で浄土宗と法華宗の間で行われた宗論について信長が最初から法華宗を負けさせるつもりだったという通説が自分の問題提起をきっかけに学説も修正されたことを指摘しているが、これには一理あるだろう。(「週刊ポスト」で井沢元彦氏が呉座氏に公開質問状) と述べている。井沢氏の主張を鵜呑みにして学界の通説が一蹴されたと八幡氏は思い込んでいたわけだが、一蹴されていないことは私が週刊ポストで指摘した通りである

    在野の歴史研究家に望むこと
  • 原子力は「小型原子炉」で安全になる(アーカイブ記事)

    GEPRModel of atom and elementary particles. Physics concept. 3D rendered illustration. 脱炭素化技術として、小型原子炉(SMR)に注目が集まっていますが、日はそのパイオニアです。これはその先駆である「4S」の開発者、服部禎男さんに書いていただいた2012年10月17日の記事の再掲です。 服部禎男 元電力中央研究所理事 工学博士 私は原子力の研究者です。50年以上前に私は東京工業大学大学院の原子炉物理の学生になりました。その際に、まず広島の原爆ドームと資料館を訪ね、原子力の平和利用のために徹底的に安全性に取り組もうと決心しました。1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故は、私の具体的な安全設計追求の動機になり、安全性が向上した原子炉の姿を探求しました。 私が動力炉・核燃料開発事業団に勤務していた1977

    原子力は「小型原子炉」で安全になる(アーカイブ記事)
  • 民主党政権は「悪夢」だったのか

    安倍首相が自民党大会で「悪夢のような民主党政権」と評したのに対して、立憲民主党の枝野代表が「自殺者数が減るなど、よくなった部分もある」と反論したことが話題になっている。公平にみて民主党政権が悪夢だったことは事実だが、安倍政権はそれほどいい政権なのだろうか。 次の図は日経平均株価に完全失業率(右軸)を逆に重ねたものだが、失業率が最悪(5.5%)だったのは麻生政権の末期で、2009年8月の民主党政権から下がり始めた。自殺率も失業率と相関が強いので、同じころ減り始めた。その後も単調に雇用は改善した。 これを2000年代前半からみると、不良債権処理で多くの企業が破綻した2003年が、雇用も株価も最悪だった。そのボトムから景気が回復する途上でリーマンショックにぶつかったが、2009年後半から元のペースを回復した。これは民主党政権の経済政策がすぐれていたからではなく、麻生政権がばらまいた90兆円以上の

    民主党政権は「悪夢」だったのか
  • コロナ感染マップ、誰も作らないので私が作りました

    緊急事態宣言が都道府県ごとに解除される中、ハッキリ言ってピントがズレているのは、専門家会議が感染者の【空間分布 spatial distribution】を定量的に把握することなく、都道府県ごとの感染者数の時間変動のみを参考にブレイン・ストーミングによって緊急事態の解除の可否を検討していることです。 緊急事態の空間的な解除を見極めるにあたって、当に重要なことは、特定地域の感染率の空間分布の挙動が時間の経過とともにどのように変化しているかという【時空間挙動 spatio-temporal behaviors】を把握することです。また、同一都道府県内においても歴然とした【不均質性 heterogeneity】が存在し、都道府県という行政区分で一括りに規制している現在の状況は極めて非効率であると考えられます。 そもそも、感染者数の時間変動に加えて空間変動を把握することは、感染のリスク対応を行う

    コロナ感染マップ、誰も作らないので私が作りました
  • 自衛隊は新小銃の調達数を減らして、P90かMP7を導入すべきでは?

    豊和工業製の新型小銃が自衛隊に採用されましたが、お値段は89式並の30万円、しかも光学照準器などのアクセサリー類もなし、調達もこれまた89式と同じ30年はかける予定です。これに装着する40ミリグレネードランチャーの調達も未だ不明です。 完全に当事者能力と意識が欠如しています。30年も2~3種類の小銃と弾薬が混在します。その間の兵站と教育も並列ですから余計にコストがかかります。 こんな間抜けなことをやっているのは世界広しといえども我が国ぐらいのものでしょう。アフリカとかの最貧国は知りませんけどね。 そこで提案ですが、FN社のP-90やH&K社のMP7といった軽量小型でかつ扱い安い小火器を一定数導入したらどうでしょう。P90は実際に撃ったことがありますが、反動が小さく、100メートル距離で素人が撃ってもバカスカあたります。比較で撃ったMP5よりもよく当たります。 P90は 5.7 x 28mm

    自衛隊は新小銃の調達数を減らして、P90かMP7を導入すべきでは?
    akakiTysqe
    akakiTysqe 2020/04/17
    https://twitter.com/Retina014/status/1250993714341670912 HK G11とかXM29 OICWじゃないのか(´・ω・`)
  • 日本はなぜ慰安婦問題で韓国に敗北したのか

    ヤフー個人の「日韓関係の悪化は長期的には日の敗北で終わる」という記事が炎上している。筆者はアメリカの大学院生、内容はステレオタイプの「歴史修正主義」批判で論評に値しないが、問題はこういう議論が世界の常識になってしまったことだ。 たとえばNYタイムズは、日韓国の対立について長文の解説記事を載せているが、強制労働(forced labor)を性奴隷(sexual slavery)と同列に論じ、性奴隷は説明なしに使われている。徴用工問題は日の植民地支配から発生したが、安倍首相がその責任を否定してナショナリズムをあおっているという論調だ。 性奴隷という言葉は、戦時中はもちろん、戦後の公文書にも出てこないが、海外メディアの愛用する言葉だ。初期の争点は政府の関与だったが、これについて1992年に加藤官房長官が慰安所の管理などについて関与を認めて謝罪した。 その後、韓国側が強制連行を認めろと要求

    日本はなぜ慰安婦問題で韓国に敗北したのか
    akakiTysqe
    akakiTysqe 2019/08/20
    https://twitter.com/deadletterjp/status/1163678194949447680?s=21「奴隷は悪ではない」とちゃんと反論すれば理解されたはずなのに、って、時代錯誤とか愚かとか人権意識に欠けるとかいうよりも、最早狂気すら感じるな
  • 「工作員妄想」こそ妄想だったスリーパーセル問題

    人を批判するのに事実を間違えてはアカン 三浦瑠麗さんの「ワイドナショー」での発言に端を発する「工作員問題」。これに対する古谷経衡氏の反論が、放送から2日後にアップされ、一時はyahooトップにまで掲載されていました。 この記事に対してツイッター上ではすでに多くの方からの批判的指摘が飛んでおり、またアゴラでも新田編集長が指摘されていますが、古谷氏の記事には明白な事実誤認があるので、きちんと指摘する必要があるのではないかと思います。 というのも、yahooトップに掲載されたとなれば、そのビュー数は数百万に達したものと思われます。明らかな事実誤認のある記事に乗っかったまま「『スリーパーセル』は三浦瑠麗の頭の中にだけある存在」などと三浦批判をしている人も散見され、これはさすがにきちんと指摘すべきだろうと思うわけです。 ①「スリーパーセル=潜伏する工作員」は実在する―『警察白書』より 古谷氏は当該記

    「工作員妄想」こそ妄想だったスリーパーセル問題
  • 哨戒機をマレーシアに無償供与?気前がいいことで

    哨戒機 マレーシアに無償供与へ 政府、中国をけん制(日経済新聞) 政府は海上自衛隊のP3C哨戒機のうち、使わなくなった中古品をマレーシアに無償で供与する方針だ。発展途上国に防衛装備品を無償供与できるようにする法改正後に実施する。南シナ海での同国の監視能力の向上を後押しし、海洋進出する中国をけん制する狙いだ。 政府は中国への装備品や関連技術の流出を危惧しており、そうした懸念も審査する。P3Cの開発元が米企業のため、米政府が定める国際武器取引規則(ITAR)に基づく承認も得る予定だ。 この記事だけを読むと、随分とナイーブな感じをうけます。 ただでくれてやるなんて気前が良すぎます。 むしろ、第三国のメーカーとかをかませた近代化とサポートシステムを構築すべきです。 現在のP-3Cのまま再整備しても長期の使用には耐えられません。また整備コストもかかります。 であれば近代化改修を行う必要があります。

    哨戒機をマレーシアに無償供与?気前がいいことで
  • 「右でも左でもない政治」は本当に可能なのか?

    福島香織さんという中国問題に関するジャーナリストの方に、「SEALDsと東アジア若者デモってなんだ!」というを献頂いたんですが、それを読みながらタイトルのようなことを考えました。 アメリカ総選挙ではいわゆる「右」も「左」もかなりムチャなことを言う極論人間が人気になり、アメリカこれでいいのか?と全世界が不安にさせられている世の中ですが、それに限らず、「右でも左でもない必要なことをやれる政治」というイメージがキャッチフレーズとして広く望まれる時代になっていると思います。 しかし、このキャッチフレーズは誰でも言ってる時代だが難しい。安倍政権ですら多分「右でも左でもなく必要なこと」をやってると思ってると自覚では思ってるんじゃないかと思います(勿論それは安倍政権嫌いの人から見ると「物凄い右」なわけですが)。 また、さらに”安倍とは逆”の立場の人でも、8割ぐらいまで「まともなこと言ってるなあ」と思

    「右でも左でもない政治」は本当に可能なのか?
    akakiTysqe
    akakiTysqe 2017/05/07
    http://b.hatena.ne.jp/entry/twitter.com/hori_shigeki/status/861167225645944833哲学者アランの有名な言葉:「自分は右でも左でもないと言う人は右の人だ」が現実を言い当てていました。
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