本書は、近年アメリカで勃興しつつある、新しいタイプの"分子生物学者"たちの活動を描いた本である。ただし、"分子生物学者"という表現は正確でないかもしれない。というのは、彼(女)らは「学者」と聞いて一般的にイメージされるような大学の教員でもなければ、企業で研究開発に従事する研究者でもない*1。キッチンで培養した細胞で癌の治療法を研究したり、スーパーで買ったヨーグルトで毒物検査キットを開発したりするのが彼らのスタイルだ。本書によれば、彼らのような既存の体制に属さない新しいタイプのバイオ研究者(の活動)は『バイオパンク』と呼ぶらしい。 *2。 バイオパンク―DIY科学者たちのDNAハック! 作者: マーカス・ウォールセン,矢野真千子出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2012/02/21メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 16人 クリック: 334回この商品を含むブログ (12件) を