「例え生まれ変わったとしても、それは二度目の人生なんかじゃない。まとめて一つの人生なんだ。後悔や反省を乗り越えない限り、時間は進んでも人生は進まない」 とは、生まれ変わりをテーマに描く天才中学生小説家・出雲凜音(當真あみ)が綴った文章の一節だ。そして、小説は「じゃあ、今、どうするか。大切なのは迷うこと。迷った先に必ず君らしい答えが出せるから」と締めくくられる。 書き終えた彼女は、まるで電源が落ちたかのように気を失ってしまった。と、同時に現れたのは、髪を指でねじりながら街をふらりと歩く謎の男(水川かたまり)。これは、執筆中の凜音がよくしていた癖だ。どうやら、その姿は誰にも見ることができない様子。通り過ぎる人と触れてもすり抜けてしまうあたり、どうやらこの世界の道理で生きる人ではようだ。 ここで、ある説が浮かんでくる。この男は凜音の中にいた、生まれ変わりの人なのではないか。生まれ変わりとは、後悔