王座戦第3局は先手で挑戦者の藤井聡太竜王・名人(21=王位・叡王・棋王・王将・棋聖を合わせて七冠)が永瀬拓矢王座(31)に逆転で勝利し、2勝1敗とした。長年にわたって将棋界を追うライターの大川慎太郎氏が現場取材。永瀬王座に聞いた言葉などをお届けする(段位などは以降省略)。 もう決まったと思っていたのだ。 9月27日、午後8時10分頃。日本将棋連盟の職員が「検討陣がそろそろということなので、終局直後のコメントを取材されるメディアの方は対局フロアに移動をお願いします」と知らせた。 他の記者とぞろぞろ連れ立って、対局場「名古屋マリオットアソシアホテル」のエレベーターに乗り込む。移動しながら、「(藤井が)こういう負け方をするのは珍しいな。いや、永瀬が強かったのだ」などと、王座の完璧な指し回しを反芻していた。 対局室がある階のエレベーターホールに降りる。あとは藤井が投了した後に、将棋連盟職員の合図で
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図では持ち駒の差で優勢を意識していて、それ自体は間違っていなかったのですが、過大評価していたことで方針を見誤りました。感想戦でも先手に明快な代案はなかったので、際どいところを切り込んでいかないと勝てない局面だったと思います。 図で誤算に気が付いてはたと考え込みましたが、既に手遅れで勝てない将棋になっていました。先手陣は配置が悪く▲39香と受けても△37銀から後手の攻めが止まりません。
ここでは悪くはない(少しいいかも)と思っていましたが、次の△73角では△56桂が良かったようです。その後の攻め方が分からなかったので、受けに回ったのですが、あまり受けになってなかったですね。 最後は△93同玉なら分からなかったんですけど、本譜の筋が詰むので落胆してしまったというか、ここは両者エアポケットでその空気感もあったし、という説明しか出来ないですね。
図では▲64角で勝ちなのかと思っていたら△72飛で寄らないのが誤算で本譜▲31角は予定変更ながら、最善だったようです。
結果的には渡辺のワンサイドゲームのようになった今局。スポニチ本紙観戦記者で指導棋士五段の関口武史がポイントを解説した。 渡辺は封じ手の▲8二歩、4手後の▲7四歩(39手目)と一貫して攻めを継続する。永瀬は銀桂交換を甘受し、局面を落ち着かせようとするが渡辺はそれを許さない。 ▲7四歩(47手目)~7七角(A図)が秀逸な手順で頭一つ抜け出す。▲7四歩は直後の△9五角の王手が気持ち悪く、選びにくい一手。続く角合いも△同角成▲同金の形が将来後手からの△8五桂が見えているだけに相当に指しにくい。だが盤上から後手の角を消すと▲7三角の王手飛車が猛烈に厳しいのだ。 A図に戻り▲7七角に△8六桂も嫌な変化で、▲8八金△7六歩▲6六角△9八桂成と進むと先手大失敗。だが、△8六桂に▲5八王が軽妙な早逃げで、△7八桂成▲9五角△同歩にやはり▲7三角の切り返しが厳しい。▲7四歩、▲7七角は単独で見ると先手不利の選
8日に2日目が指し継がれた第33期竜王戦七番勝負第3局は、豊島将之竜王(30)が挑戦者の羽生善治九段(50)に172手で勝利し、シリーズ通算2勝1敗とした。 羽生九段が先手番で相掛かり戦法を選択し、前例のない力戦に。 形勢に大きな差がつかないまま終盤戦になだれこみ、最後は羽生九段の勝ち筋とみられていたが、トン死という劇的な結末となった。 棋譜は公式ページからご覧ください。 逆転、その瞬間 最終盤、豊島竜王が激しく攻め立てて、羽生九段の玉が捕まるかどうかの勝負になった。 ABEMA将棋チャンネルに映し出される将棋AIの勝率は羽生九段寄りだった。 しかし対局者にハッキリと形勢を把握している様子はなかった。 どちらかといえば、勢いは攻めている豊島竜王にあるように窺えた。 羽生九段も秒読みのなか、正確な対応で玉を逃げる。 ようやく豊島竜王の攻めが一息ついた。 羽生九段は詰めろを続けられれば勝ちだ。
24日、第68期王座戦五番勝負第3局が行われ、永瀬拓矢王座(28)が久保利明九段(45)に勝って通算2勝1敗とし、初防衛まであと1勝とした。 久保九段の三間飛車に永瀬王座は居飛車穴熊で対抗。 久保九段は最近流行の「トーチカ囲い」に組んで難解な中盤戦となったが、最後は穴熊の深さが生きて永瀬王座が制勝した。 トーチカ囲い 「トーチカ囲い」とは、守備側の桂を跳ねてその位置に玉をおさめ、まわりを金銀で固めた囲いをいう。 久保九段はこの王座戦五番勝負において第1局に続いて本局も採用した。 振り飛車といえば「美濃囲い」が定番だったが、「トーチカ囲い」はより堅さと攻撃力を求めた囲いである。 元々居飛車側が用いていた囲いを応用したものでもある。 第68期王座戦五番勝負第3局▲永瀬拓矢王座ー△久保利明九段 42手目△8一玉まで 42手目、久保九段が△8一玉と引いたところ。これで「トーチカ囲い」はほぼ完成とな
図で考えたのは本譜の△94同香からの攻めと△21玉と守る手ですが、△21玉▲73角成の展開は先が見えないので、△94同香を選択。 1時間58分から15分しか使ってないので、負けたら「なんであそこでもっと考えなかったのか」となるだろうなとは思いました。 終盤、▲34香から一連の手順は読めてなく、焦ることになりました。時間があったので腰を落とせましたが最後は13分しか残らなかったですし、結果的には最初の図で短考で攻めて行ったのが幸いしました。 研究が当たったところがあるので手応えを感じるという内容ではないですが、悪い流れは勝つことでしか変えられないので、前向きに来週へ向かいたいと思います。
将棋の藤井聡太七段が八大タイトルの1つ「棋聖戦」五番勝負の第3局で渡辺明三冠に敗れ、史上最年少でのタイトルの獲得は今月16日の第4局以降に持ち越されました。 第3局は9日午前9時から東京で行われ、藤井七段は積極的な攻めを見せましたが渡辺三冠の的確な指し回しによる反撃を受け、午後7時12分、142手までで投了に追い込まれました。 藤井七段は2勝1敗となり、史上最年少でのタイトルの獲得は次回以降に持ち越されました。「棋聖戦」五番勝負の第4局は今月16日に大阪で行われます。 藤井聡太七段が渡辺明三冠に敗れたことについて、藤井七段の師匠、杉本昌隆八段は「渡辺棋聖が強かった気がしました。藤井七段も非常にうまく指している気がしましたけど、渡辺棋聖が一枚上手でしたね」と振り返ったうえで、「藤井七段も前の2局とほぼ同じように指していて、タイトルのかかった一番とは思えぬ踏み込みのよさだった。渡辺棋聖がかなり
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