日本周辺の深さ6千メートルを超える「超深海」を調査している名古屋大や東京海洋大などの研究グループは29日、道林克禎名古屋大教授(地球環境科学)が有人潜水船で、小笠原海溝の最深部付近9801メートルの海底に到達したと発表した。日本人による有人の最深潜航記録を、60年ぶりに256メートル更新した。 道林教授によると、13日に米国の著名冒険家、ビクター・ベスコボ氏と共に小型潜水船に乗り、約3時間半かけて最深部に到達。窓から海底の地質や地形、生物の様子を観察し、動画も撮影した。日本の領海で最も深いとされる小笠原海溝は、これまで9780メートルと考えられていたが、さらに深いことが判明したという。 名古屋大によると、これまでの日本人最深潜航記録は、昭和37年に千島・カムチャツカ海溝の最深部で東京水産大(現東京海洋大)の佐々木忠義教授による9545メートルだった。 超深海の調査は対応できる潜水船の確保が