藤井聡太新叡王(19)=王位、棋聖=の誕生により、将棋界で複数冠を持つ棋士は2人だけになった。時代を担う両翼となる渡辺明名人(37)=棋王、王将=は、同じ三冠に到達した藤井叡王をどのように見ているだろう。昨年度と今年度の棋聖戦で敗れている第一人者は「今いちばん考えているのは、藤井さんといかに戦うかということ。競った戦いをすることを目指したいです」と語る。天才との戦いを、今後の棋士人生での大いなるモチベーションとしている。(北野 新太) 昨夏、渡辺が保持していた棋聖を奪って初タイトルを獲得した藤井はわずか1年で三冠へと躍り出た。一気に時代の頂点へと駆け上がったことを、同じ三冠である名人はどう受け止めているのだろう。 「この1、2年は4強(渡辺、藤井、豊島将之竜王、永瀬拓矢王座)と言われてきましたけど、藤井さんは他の3人と比べても勝率が高いので、タイトルが増えていくのはある種、自然なことかもし