テニスやゴルフといった筋肉や骨を主に使うスポーツでは近年競技種目の練習以外にメンタルトレーニングを取り入れるなど複合的なアプローチがなされているが、昨年あたりから将棋棋士の間で将棋とスポーツを組み合わせ「総合的な棋力」を向上させようという試みが徐々に広まっている。 今期順位戦C級1組を9勝1敗の成績で終え、来期B級2組昇級を決めたばかりの青嶋未来六段(28)もその一人だ。筆者はC級1組最終戦の対局3日後、トレーニング会場の東京都港区「ドリームアカデミア」に伺い、鍛錬に励む青嶋六段を取材した。 運動をしながら将棋の問題に取り組む 青嶋六段はチェスも2019年、22年と2度も全日本チャンピオンになるなど多才な棋士として知られる。 トレーニングは最初に担当トレーナーが体調を聞き、適切な強度でストレッチから腹筋、背筋など軽めの運動で体をほぐす。続いてウェイトを用いてのサーキットトレーニングで心拍数