将棋の第1期白玲戦七番勝負が11日、東京都港区のグランドニッコー東京台場で開幕する。 順当に、と言っても過言ではないくらいの実力者である西山朋佳女流三冠(26)=女王、女流王座、女流王将=が新しい棋戦の初めての番勝負に登場し、渡部愛女流三段(28)と「初代白玲」の座を懸けて激突する。 西山は今年3月まで棋士養成機関「奨励会」に三段として在籍し、女性初の棋士(四段)に最も肉薄した存在でもある。2019年度後期には昇段ラインである14勝4敗の成績を残して次点(3位)にまで達したが、21年4月1日、奨励会退会と女流棋士への転向を表明した。 あれから5か月が経ち、女流棋士として女流最高棋戦に臨む西山に聞いた。 文・北野 新太/カメラ・矢口 亨 奨励会退会の電撃表明から5日後の2021年4月6日、西山は取材中に涙を流した。取材者の私が泣かせてしまった、という言い方もできる。 女流棋士としてのデビュー