想像してほしい。もし余命3カ月を告げられたら、あなたならどうするだろうか? ひとしきり落ち込んだり泣いたりしてから、少しだけ平常心を取り戻して、こう考えるのではないだろうか。やり残したことはないかと。 『春になったら』(カンテレ・フジテレビ系)第4話は友情と恋のエピソードだ。雅彦(木梨憲武)の「死ぬまでにやりたいことリスト」に書かれた「神に謝る!」。エリザベス・キューブラー・ロスが提唱した死の受容のプロセスにある「取り引き」段階では、確実にやってくる死の苦痛をやわらげるために、神仏をはじめとする人智を超えた力にすがって行いを改めるとされる。雅彦の「神に謝る」は一瞬このプロセスを指すと思わせるが、その意図するところは神様ではなく同級生の「じん」君に謝りたい、というとても人間味のある動機だった。 神健一郎(中井貴一)が営む喫茶店を探し当てた雅彦。中学時代、雅彦は親友の神に頼まれて、同級生の女子