気がつけば2023年もあとわずか。魅力的な俳優たちの優れたパフォーマンスに接しているうちに、この1年もあっという間に過ぎてしまったというわけだ。彼ら彼女らが生み出した感動的な瞬間の数は、この両手だけでは足りやしない。 ここではそんな演技者の中でもとくに印象に残った女性俳優10名にフォーカスし、映画、ドラマ、演劇のシーンに彼女たちが刻んだ功績を振り返ってみたい。 杉咲花 自身の名を冠したドラマ『杉咲花の撮休』(WOWOW)の放送で2023年をスタートさせた杉咲花。まだ20代半ばにして「名優」と呼べる数少ない存在のひとりである彼女は今年もまたいくつもの出演作が公開されたわけだが、やはりいまは『市子』の話に尽きるだろう。いや、いくら言葉を尽くしても、この作品における彼女の素晴らしさを語り尽くすことはできない。市子というひとりの女性の人生を背負い、いくつもの顔を持たなければ生きられなかった彼女の“