大相撲の元小結・松鳳山が引退を表明した際に驚きの声が挙がりました。幕内在位51場所の名力士なのに親方とならず角界を去るというからです。28日の会見で明かした心境では本人に指導者となる気がなかったとのこと。第二の人生に幸あれと願う一方で、「それはそれとしてやはり……」と好角家が気にするのが近年不足気味とされる年寄名跡について。背景を分析します。 3パターンある襲名の現役実績 引退する力士が協会の正規指導者=親方となるには105ある年寄名跡を襲名しなければなりません。定年は1961年から65歳。現在、多くの企業の定年が60歳で、公的年金の受給開始が原則65歳からというのを考え合わせると相当恵まれています。 30歳を過ぎたらベテランと呼ばれる世界での65歳までの安定した生活保障は他のメジャースポーツにはみられない仕組みです。取得条件が現役時代の成績で決められているのも大きな特長。やさしい順に列挙