国家戦略局が沈み、小沢一郎幹事長が浮かんだ (7)予算か外交か、はたまた二重権力か。国家戦略局、合成の誤謬に沈む 佐藤章 ジャーナリスト 元朝日新聞記者 五月書房新社編集委員会委員長 民主党が政権を取る3年余り前の2006年4月7日、小沢一郎が同党元代表だった菅直人を代表選で破り、新代表に就いた。小沢は選挙後、菅を代表代行に指名し、幹事長だった鳩山由紀夫とともに民主党の「トロイカ体制」を形成した。揃ってよく写真に収まり、民主党のテレビCMでも「共演」したトロイカは古い自民党政治を打ち破る清新さを国民に感じさせた。 実際、この清新さを裏付ける「志」は三人に共通していた。三人の著書や対談記録などを読み込み、それぞれにロングインタビューした経験を持つ私は、そう考えている。しかし、その後トロイカは崩れて「志」は空回りし、清新さに対する国民の期待は萎えていった。 菅の毀誉褒貶 学生時代から現実的な政