新幹線と航空機の顧客獲得競争が過熱している。関西国際空港と九州を低運賃で結ぶ格安航空会社(LCC)や、米軍岩国基地(山口県岩国市)と羽田空港を結ぶ定期便を開設する全日本空輸に対し、JR西日本は割引切符で対抗。とはいえ、新幹線は採算度外視の大幅な値下げはできないため、運行本数など利便性の高さとの“合わせ技”でシェア死守を目指す。陸と空のバトルは、どらちが勝者に…。 今年3月、関空にLCCのピーチ・アビエーションが就航し、福岡線や長崎線などを相次ぎ開設。最安で片道4千円前後からという破格の低運賃を武器に、それまで航空機を利用していなかった層を含めて多くの利用者を獲得した。 危機感を抱いたJR西は6月、大阪-福岡、長崎間の新幹線などの利用で割引切符を発売。1~2週間前の早期に購入すれば片道5千~7千円安い1万円前後となるため、対象はカード会員向けだけだが、販売は好調に推移していた。 ところが8月