最高裁の裁判で40件以上の反対意見や補足意見を表明し学者としての信念を貫いた文化勲章受章者で東大名誉教授(英米法・憲法)の元最高裁判事、伊藤正己氏が27日午後0時27分、呼吸不全のため東京都内の病院で死去していたことが29日、分かった。91歳。兵庫県出身。自宅は非公表。葬儀・告別式は近親者で済ませた。喪主は長男克己氏。後日、お別れ会を開く予定。 1943年に東大法学部を卒業し、57年に東大教授に就任。東大法学部長などを経て東大退官直前の80年、最高裁判事に就任し、89年に退官した。99年には文化勲章も受章。皇太子妃雅子さまのお妃教育の講義も担当した。 最高裁判事に在任中、81年の「大阪空港騒音訴訟」大法廷判決など1万件以上の裁判に関与した。