【読売新聞】最新の近世史研究を反映したシリーズ『日本近世史を見通す』(全7巻)の刊行を、吉川弘文館が始めた。広く国際関係の中で日本近世を捉え直し、多彩に発展した江戸時代の文化にも目を配る。 同社は10年ほど前に『日本近世の歴史』シリ
紹介 戦国時代の主役は大名でも武将でもない! ヒトとモノのエコシステム=生態系が、中世日本のダイナミックな変動を生み出した! 戦乱が多発したのみならず、寒冷化という気候変動もあって、当時の列島は生物種としてのヒトにとって、きわめて生存が厳しい環境であった。 そのような「戦場」を、庶民たちはどのようにしてサバイバルし、時代を動かしたのか? 本書は、戦国日本とはいかなる時代であったのかという問いに対し、庶民の主体的な行動が歴史の動因であったことに注目して、ひとつの答えを示そうという試みである。 海・山の動植物が織りなす生態系と、そこから恵みを得て生活を営む人々の社会システムを一つの系としてとらえ、戦国の動因を描き出す、斬新な〈生態学的アプローチ〉による中世史像! 【本書より】 考えてみれば、信長や秀吉など英雄たちが「新しい世の中」をつくるために行ったとされるさまざまな政策やドンパチやった戦争は
子どもたちの悲惨な戦争体験として語られてきた学童集団疎開.しかし,受入れ地域からはまた別の側面が見える.県別に割当てられた40万人近くの学童,決定から3カ月後の受入れ,食糧事情や施設の状況,戦争の激化と軍事施設までもの疎開…….埼玉県の高校郷土部の調査を契機に,地域全体が戦時体制に巻き込まれる状況を明らかにした,新たな観点からの学童疎開史. 序 章 なぜ疎開受入れ地域に注目するか 第一章 学童疎開に到る道 1 疎開政策と東京都 2 割り当てられた側の事情 3 国土計画と疎開 第二章 決定から二カ月半での大移動―― 一九四四年六月末~九月 1 縁故か集団か,ただちに決断せよ 2 翻弄される受入れ県 3 公平性を最優先した埼玉県 第三章 遠足気分の出発,激化しゆく空襲―― 一九四四年九月~一九四五年三月 1 「適切ナラザル」宿舎 2 疎開地における教育 3 冬季対策 4 疎開地にしのびよる「戦
紹介 昭和という時代には、表の現代史には出てこない裏の人脈が、時代を貫く地下水脈として連綿と続いてきた。「保守政治家」「右翼」「軍部(特務機関)」の人脈だ。彼らは、戦後の日本を震撼させた数々の「謀略事件」「未解決事件」にどう関わったのか?黒幕たちの軌跡を50項目以上のテーマで検証する血脈の歴史ドキュメント。原発の父「正力松太郎」の項を新たに加えた「ウラ現代史」の名著が改訂版となって復刻。 目次 序章 昭和裏面史の読み方 第1章 関東軍の大謀略 第2章 テロ&クーデター 第3章 大陸の特務機関 第4章 太平洋戦争「謀略」秘史 第5章 「焼け跡」の陰謀 第6章 日本の黒い霧 第7章 高度経済成長の舞台裏 第8章 冷戦下の謀略戦 第9章 フィクサーの亡霊
6月9 中北浩爾『日本共産党』(中公新書) 8点 カテゴリ:政治・経済8点 『自民党―「一強」の実像』(中公新書)や『自公政権とは何か』(ちくま新書)などの著者が今回挑むのは日本共産党。野党共闘の鍵となる存在でありながら、外側からはその内実がよくわからない日本共産党について、その歴史を紐解きながら実像に迫っていきます。 『自民党―「一強」の実像』や『自公政権とは何か』では、基本的に現在の意思決定や選挙対策などをとり上げて分析していましたが、今回の『日本共産党』の記述のメインとなるのはその歴史です。 これは日本共産党が現存する政党の中で最も古い歴史を持ち、その政策や意思決定の過程がかなりの部分、過去の積み重ねによって規定されているからです。 そのため、本書は本文だけで400ページ以上あり、なおかつソ連が崩壊するまでの記述で300ページ近くあります。そのため、個人的には面白く読めましたが、前半
7月13 賀茂道子『GHQは日本人の戦争観を変えたか』(光文社新書) 7点 カテゴリ:歴史・宗教7点 副題は「「ウォー・ギルト」をめぐる攻防」。GHQが終戦直後に行ったとされる「ウォー・ギルト・プログラム」を扱った本になります。 この「ウォー・ギルト・プログラム」については評論家の江藤淳がとり上げたことで世に知られました。江藤は戦後民主主義の「自由」な言論空間が実はGHQによる検閲と洗脳によってつくられたということを『閉ざされた言語空間』で主張しました。 ただし、江藤は評論家ですし、たまたま目にした資料からこの政策について論じており、その実態はどうだったのか? どの程度の影響力があったのか? といった疑問は残ります。 本書は、アメリカが日本人のどんな戦争観を問題視し、どのようにアプローチしようとしたかを分析し、「ウォー・ギルト・プログラム」の実態を明らかにしようとしています。 江藤の主張
紹介 妄説、打破! 信長は戦前まで人気がなかった。秀吉は人たらしでなく邪悪だった!? 時代ごとに人物像は変化していた。最新研究による実像に加え、虚像の変遷から日本人の歴史認識の特徴まで解析した画期的論考。 画期的に見える人物像も、100年前の焼き直しにすぎないものが多い。 織田信長は革命児、豊臣秀吉は人たらしで徳川家康は狸親父。明智光秀は常識人で、斎藤道三は革新者、石田三成は君側の奸で、真田信繁は名軍師。 このようなイメージは、わずか数十年前にできたものが実は多い。 彼らの虚像と実像を通して、江戸、明治、大正、昭和と、時代ごとの価値観まで浮き彫りにする! ■光秀=「温厚な常識人」は一冊のベストセラーがつくった。 ■油売りでも革新者でもなかった道三 ■信長は将軍も天皇も尊重していた ■秀吉の評価ポイントは勤王と海外進出 ■江戸時代にも三成肯定論はあった ■幸村は「軍師」ではなく「現場指揮官」
いまだ実態が定かではない、古代日本の地方支配と豪族たち――、この問題について最新の研究を紹介しながら包括的に解説するのが、『国造―大和政権と地方豪族』です。著者の篠川賢先生にお聞きしました。 ――国造とは、そもそもなんでしょうか。 篠川:「大和(ヤマト)政権の地方官で、多くは地方の有力豪族が任じられ、国(クニ)を統轄した」というのが、教科書的理解といってよいと思います。 ただ、国造を制度的存在とは見ずに、地方の豪族を「国造」と呼んだに過ぎないとする説もあります。また、教科書的理解に従ったとしても、それがいつどのようにして成立し(施行され)、廃止されたのか、地方官としての国造の役割はどのようなものであったのか、国造のクニはどのような範囲であったのかなど、多くの点をめぐって見解は分かれています。 つまり、「国造とは何か」と問われても、「詳しいことはよくわからない、よくわかっていない」と答えるほ
書評History typed on an vintage typewriter, old paper. close-up 日本の近現代史では「従軍慰安婦問題」などに関心が集まりがちで、なかなか「それ以外」の問題が脚光を浴びにくい状況です。しかしそんな「もっと重要なのに忘れられがちな問題」を俎上にのせて、正面から切り込む野心的な書が登場しました。それは「日本人が知らない近現代史の虚妄」という江崎道朗氏の最新刊です。 この書籍は多くの方にとって、自分の歴史認識を検証するのに最適な一冊となるでしょう。 著者江崎道朗氏は、産経新聞「正論」執筆メンバーのお一人であり、「江崎塾」を主宰して日々精力的に研鑽と情報発信をされています。主な著書に『日本は誰と戦ったのか』(ワニブックス)、『知りたくないではすまされない ニュースの裏側を見抜くためにこれだけは学んでおきたいこと』(KADOKAWA)、『緒方竹
1868-1945 徴兵令制定から、兵役法廃止まで70余年の度重なる改変過程と軍部・政府間の攻防を辿り、日本近代国家の特質を抉出。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く