9月後半から、欧州での電気料金高騰がちょっとした騒ぎになっている。寒冷地では、電気料金を払えず暖房が使えないことから、生きるか死ぬかにつながりかねない状況が生じ、フランスやイタリアでは、支払いができない家庭に対して、補助金を拠出する計画まで発表されている。スペインでの小売り電力料金は昨年同期と比べて約4割上昇。卸売りの料金では、1年半前の10倍になったという。欧州委員会は対応策のガイダンスの策定を迫られた。 本質的な原因は、2014年から2016年あたりに話題になった原油価格の暴落だ。しかも価格低下のブレーキでもあるOPECの減産調整が不調に終わり、原油価格が漂流状態になった。その結果、利益見込みが不透明な採掘への投資が激減し、石炭と石油が不足する流れができていた。石炭石油の資源開発は一般に5年程度といわれており、時期的にピタリと符合する。 原因のもう一つは急速な再生エネルギー(再エネ)へ