このところ、セキュリティ界隈が騒がしい---。本コラムでこう書き出すと、情報の機密性を確保する「情報セキュリティ」と思われるかもしれない。だが、意図しているのは最近世間を騒がせた、韓国大統領による竹島訪問や香港の人権活動家による尖閣諸島への上陸など、国家安全保障を示す「ナショナルセキュリティ」の分野だ。 とはいえ、このようなナショナルセキュリティと情報セキュリティは、もはや地続きどころか完全に一体化しつつある。盧溝橋事件、終戦記念日、満州事変の記念日などが連なる夏期は、海外から日本の公的機関などを狙ったサイバー攻撃が増えやすい、という話はよく聞こえてくる。また国際的なクラッカー集団である「アノニマス」が、6月以降、日本を標的にした攻撃を繰り返している。議会での議論や手続きが拙速と批判を受けた著作権法改正に起因すると言われているが、対象はその分野に限らない。 もはや情報セキュリティは、国外か
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