【ニューデリー=田北真樹子】例年6月ごろから9月まで、酷暑のインドを潤すモンスーン(雨期)の到来が遅れており、深刻な水不足への懸念が強まっている。政府は24日、モンスーンによる降水量は例年を下回るとの見通しを発表した。雨水に依存する農産物が影響を受けるのは必至で、不作による物価高騰が危惧(きぐ)される。景気回復の足かせになりかねないだけに、シン政権もモンスーン前線の動きを注視している。 地元紙では、ここ数日、雨ごいの儀式を行う農民の写真が一面を飾っている。南から北上し、この時期、インドの大半を覆うはずのモンスーンは、今年は6月下旬になっても、西部マハラシュトラ州の一部から北東に向けたベンガル湾沿いの一部にしか到達しておらず、国土のほとんどを干上がらせている。 インド気象庁によると、6月前半の全国の降水量は39・5ミリで、例年(72・5ミリ)の約45%減だった。北部のパンジャブやウッタルプラ