東京電力福島第一原子力発電所の事故で避難を余儀なくされた福島県川俣町の女性が自殺したのは、原発事故による極めて過酷で重大な被害だとして、女性の遺族が東京電力に対し、慰謝料などを求める訴えを福島地方裁判所に起こしました。 東京電力によりますと、原発事故が原因で自殺したとして遺族が訴えを起こしたのは初めてです。 訴えを起こしたのは、自殺した川俣町の渡邉はま子さん(当時58)の夫の幹夫さん(62)と3人の子どもです。 訴えによりますと、はま子さんは、自宅のある川俣町山木屋地区が計画的避難区域に指定され、夫とともに福島市の借り上げアパートで避難生活を送っていましたが、去年7月に自宅に戻った際、庭でガソリンをかぶって焼身自殺しました。 遺書はありませんでしたが、子どもたちと離れ離れになったうえ、勤めていた農場が閉鎖されて仕事を失い、将来を悲観していたほか、自殺する前には眠れなくなったり食欲がなくなっ